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小学館新書

現代に生きるファシズム

著:佐藤 優
著:片山 杜秀

紙版

内容紹介

20世紀最強の劇薬を世界は再び飲みこんだ

効能バツグン、だからあぶない、やめられない。
20世紀の劇薬ファシズムを「正しく恐れる」ための白熱対談!

◎“産みの親”ムッソリーニは何した人?
◎ヒトラーは日本人を蔑んでいた?
◎戦前日本でファシズムが「未完」に終わった理由。
◎官僚制と折り合いがいいのはなぜ?
◎ジブリ映画『風立ちぬ』に隠されたファシズム。
◎安倍政権はファシズムなのか?

日本人にとってファシズムは、ヒトラーのナチズムだけでなく、民族主義や純血主義、全体主義、ナショナリズム、独裁などとも混同されてしまっている――佐藤優

いまの時代は石原完爾風にいえば「資本主義最終危機」。ファシズムの本当の出番はこれからだ――片山杜秀


【編集担当からのおすすめ情報】
『平成史』に続く、「知の巨人」対談の第二弾。今回のテーマはファシズムです。かねてより佐藤優氏は、片山杜秀氏の『未完のファシズム』を絶賛していました。

資源に乏しく、周囲を海に囲まれた「持たざる国」である日本を、「持てる国」にするために、一部の軍人や指導者はファシズムという劇薬を手にとった。しかし、天皇制や明治憲法という枷(かせ)によってそれは「未完」に終わってしまう――同書の大筋なあらすじです。

では、「未完」に終わったファシズムは、戦後どうなったか。それを培養した精神は、日本人に内在し続けているのではないか。本書では、そうした見立てが語られます。佐藤氏は、災害時に自発的に集うボランティアたちを見て、日本にも何かの拍子に「翼賛体制」が成立しうる可能性を説きます。

資本主義が崩壊したとき、ファシズムは姿を現します。片山氏は、第二次世界大戦前と現代の国際情勢の相関を指摘しています。「ファシズムの出番はこれからだ」と片山氏は、本書で警鐘を鳴らしています

危機の時代という意味では、もちろん日本も例外ではありません。ただし、日本人はあまりに理解が乏しい。ファシズムとナチズムを混同する方も多い。憂いだけはあっても、正しい知識がないと備えにはなりません。ファシズムを正しく恐れるためにも、手に取ってほしい一冊です。




目次

まえがき ファシズムという妖怪―佐藤優
序 章 感化する力
第一章 ファシズムは悪なのか―イタリアファシズムの起源を辿って
第二章 「持たざる国」に生きる天皇制―朝鮮出兵・明治維新・日露戦争
第三章 玉砕思想が生まれるまで―皇道派対統制派・陸軍対海軍
第四章 24時間戦えますか―高度経済成長という幻想
第五章 未完の新自由主義―21世紀を生き抜くために
番外編 文学が映し出すディストピア
補遺 ファシズムについての私的メモ―片山杜秀

ISBN:9784098253456
出版社:小学館
判型:新書
ページ数:288ページ
定価:840円(本体)
発行年月日:2019年04月
発売日:2019年04月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDTS