大乗寺十三室 十文字美信
編著:十文字 美信
紙版
内容紹介
円山応挙畢生の絵画空間を写真で再現
江戸時代の絵師円山応挙が画業の最晩年に長沢芦雪、呉春ら一門の絵師たちを率いて手掛けた、兵庫県香住町にある大乗寺の13室165面の襖絵を、写真家十文字美信氏が最新の高精細のデジタルカメラで撮影した写真集。それぞれの部屋がどの位置を占め、周囲とどのように呼応するか、綿密な応挙の絵画空間計画に基づく13室を、隣り合う部屋との関連を示しつつ、卓越した絵筆の筆触までをも再現したA3版変型の大判写真集としてまとめます。
保存のため収蔵庫に収まっていた襖絵を13年ぶりにこの写真集の撮影のために本来の場所にもどし、ご本尊を荘厳する形で配された13室すべての襖絵を、全図と寄りのカットを織り交ぜ、一億画素を誇る最新のデジタルカメラで十文字美信氏が渾身の撮影を敢行。余人をもって替えがたい写真家の美意識のもとで、200年以上前に描かれたとは思えない豊かな絵画空間が浮かび上がります。近いうちに国宝指定も噂される、香住の知る人ぞ知る名刹・大乗寺を心ゆくまで堪能できる一冊。