新編 日本古典文学全集 60
狂言集
校注・訳:北川 忠彦
校注・訳:安田 章
紙版
内容紹介
人気沸騰の芸能を舞台そのままに文字化。古典を最も身近に楽しめる。
若手役者に引っ張られて只今人気の狂言。そのルーツは室町時代の下剋上の世相にある。なまけ者で、こずるがしこいが、どこか憎めない太郎冠者。空威張りをしていても、お人好しな大名。時には腕力もふるうこわーい女房。脳天気な花聟、まぬけな盗人、アヤシイ山伏、はては神様も鬼も、猿・狸・蟹まで登場して繰り広げる「笑い」の世界は、価値観をご破算にしたところに成立する、古今東西変わることのない空間なのだ。本書は大蔵流茂山家が現在上演する舞台をそのまま採録して、まさしく生きている古典として狂言をとらえている。舞台写真や演技演出の詳注をも加えて、傑作38曲を収録。数百年をかけて洗練された、この極上の“コント”集、さて、読んでから観るか、観てから読むか。