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小学館文庫

安楽死を遂げた日本人

著:宮下 洋一

紙版

内容紹介

NHKスペシャルで大反響

ある日、筆者に一通のメールが届いた。
〈寝たきりになる前に自分の人生を閉じることを願います〉
送り主は、神経難病を患う女性だった。全身の自由を奪われ、寝たきりになる前にスイスの安楽死団体に入会し、死を遂げたいという。実際に筆者が面会すると、彼女はこう語った。
「死にたくても死ねない私にとって、安楽死はお守りのようなものです。安楽死は私に残された最後の希望の光です」
日本人が安楽死を実現するには、スイスに向かうしかない。お金も時間もかかる。ハードルはあまりに高かった。だが、彼女の強い思いは海を越え、人々を動かしていく。

〈本作を読んだ多くの方が考えただろうことを、私も考えた。もし小島ミナと同じ境遇に置かれたら、はたしてどのような選択をするだろうか、と。
著者が作中で記しているように、現にそうした状況に直面したわけでもない者の考えなど、しょせんは切迫感に欠けた想像や推測の類にすぎない。ただ、それでも考えてしまう。彼女のように安楽死を望み、それを選択するだろうか、と〉――解説:青木理


【編集担当からのおすすめ情報】
講談社ノンフィクション賞を受賞した『安楽死を遂げるまで』の続編です。本作に登場する日本人女性は、NHKスペシャルでも特集され、大反響をよびました。

目次

プロローグ
第一章 我が運命の支配者
第二章 孤独と歩む
第三章 幸運を祈ります
第四章 焦りと混乱
第五章 最高の別れ
第六章 家族を取り戻した男
第七章 遺灰
エピローグ
文庫版に寄せて
解説(青木理)

ISBN:9784094070408
出版社:小学館
判型:文庫
ページ数:400ページ
定価:830円(本体)
発行年月日:2021年07月
発売日:2021年07月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD