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小学館文庫

仮面の商人

Le Marchand de Masques

著:アンリ・トロワイヤ
訳:小笠原 豊樹

紙版

内容紹介

フランスの巨匠が出版界を描く驚くべき傑作

この長篇小説は三部構成になっている。
まず第一部は、作家志望の若いヴァランタン・サラゴスの視点で描かれる。まるでバルザックを思わせる、社交界とマスコミ(出版社・新聞社)、そして有名無名の作家、批評家たちがうごめくパリの人間模様が活写される。もちろん上流夫人との恋愛もたっぷり。
驚くべきことに、読者の予想を裏切って、第一部は主人公の自殺で幕を下ろす。
そして第二部。無名の作家サラゴスは、皮肉なことに死後有名なベストセラー作家になっている。語り手は、サラゴスの甥のアドリアンである。彼はサラゴスの評伝の執筆にとりかかっている。生前の叔父を知る人々を訪ね歩く(読者は第一部の登場人物たちが語る「嘘」あるいは「記憶の改変」に愕然とする)。この第二部は、20世紀の新しい文学(モダニズムとミステリ)の手法で描かれる。そして、短いが鮮烈な第三部がくる。
純文学というよりはエンタテインメントというべき長篇小説である。
見事なストーリーを小笠原豊樹の名訳で楽しめる最高の贈り物。

ISBN:9784094060348
出版社:小学館
判型:文庫
ページ数:256ページ
定価:570円(本体)
発行年月日:2014年11月
発売日:2014年11月06日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB