はじめに
ベテランは地図読みを教えるのが苦手/「地図の読み方」を補う視点/月1回の日帰りハイキングを1 年で、地図が読めるようになる
第1章地図を読む理由
地図読みの本質
あるツアー登山者の言葉/コースタイム偏重の愚/山の起伏を意識して歩く/計画段階から始まる地 図読み/行程を予測して山行をコントロールする/「想像」と「照合」/現在地が分からなくなったときの 対処法/地図読みとは、未来を予測すること
地図読みの楽しみ
自律した山歩きをする/地図が読めることの爽快さ
第2章読図力アップの過程
目標とする地図読みのレベル
「地図が読める」というレベル/休憩時に5分間だけ地図を開く
地図読み上達の4つの行程
土台を構築した上で実践を重ねる/知識としてのステージ1/体得するステージ2・3/経験値が求め られるステージ4/地図が読めるようになるまでの期間
第3章ステージ1 等高線のルールを知る
地図読みの原点 ピークとコル
ピークとコル/隠れたピークの発見/案外と難しいコルの発見
地図上で尾根と沢を峻別する
尾根と沢で構成される山/表裏一体の尾根と沢
地図をあやつる
稜線を机上登山する/地形を立体的に把握する手順/立体図を描く
地図読み講習会で扱った実例
第4章ステージ2 地形のル―ルを知る
ピークと尾根の関係
ピークと尾根・稜線の単純明快な関係/「ピーク三角錐の原則」
稜線と支尾根の関係
稜線の傾斜とピーク形成の関係/隠れた小ピークの未来/尾根ほど明確でない沢地形の法則
地図読み講習会で扱った実例
第5章ステージ3 先読みの手順を身につける
地形の構成が決める先読み
地形が明確に変化する場所を見つける/先読みの最小区間/先読みすべき地形の要素
先読みの分解
本尾根と支尾根という考え方/尾根の分岐点での傾斜の変化/「次の地点まで」と「次の地点にて」の 区別/尾根で行う先読み―7つの要素/沢沿いの道で行う先読みの難しさ/沢沿いの道で行なう先 読み―ふたつの要素/尾根では尾根を、沢では沢を
地図読み講習会で扱った実例
第6章 ステージ4 地形に対する感覚を磨く
読図力アップにおける難関
地図読み習得に1年かかる理由/傾斜感を磨く/標高差感・距離感を磨く/体内物差しの作り方とそ の修正
地図読み講習会で扱った実例
第7章 地図読みトレーニングの方法
地図読みトレーニングのすすめ
トレーニングの位置づけ/ひたすら等高線を睨み続ける一日/等高線への絶対的な信頼
ルートを設定する
沢を登り、尾根を下れ/ルートを両手の指で作る輪に収める/標識があふれるハイキングコースこそ最 適
トレーニング用の地図を作る
現在地確認ポイントを設定する/尾根道にマチ針を置く/沢沿いの道にマチ針を置く/地図を携帯する ための工夫
入山口でのウォーミングアップ
もっとも難しい現在地確認/山座同定で等高線と地形の照合の練習をする/歩き始める前に机上登山 をしよう
トレーニングの進め方
地図は北を上にして持たない/現在地を示し、地形を根拠にその理由を説明する
第8章地図読みトレーニングを終えたあとの地図読み
地図読みトレーニングを終えてからの山行
一点集中読みへの移行/地図読み仲間を見つける
登山道の読み方
登山道の表記は間違いがいっぱい/登山道の意図を読む
踏み跡の追いかた
踏み跡がつきやすい場所/赤布・赤ペンキは信頼していいか
迷いやすい地形の類型
一点集中読みをするための前提/迷いやすい場所は予測できる
第9章コンパスの使い方
コンパスの原理
山中にある物の方向性を地図と照合する/コンパスを使う場面
正確なコンパス使用法
山座同定でコンパスの練習をしてみよう/左辺を置く位置の見極め/立ち位置が3mずれるだけで正 確性が変わる
付録 読図トレーニングの具体例
表丹沢・大倉でのウォーミングアップ
表丹沢・子易バス停先でのウォーミングアップ
西丹沢・丹沢湖畔でのウォーミングアップ
表丹沢・三廻部コース
表丹沢・高取山コース
西丹沢・屏風岩山東尾根コース
西丹沢・椿丸周遊コース
西丹沢・畦ヶ丸山吊尾根コース
あとがき