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ブルーバックス

マルチメッセンジャー天文学が捉えた新しい宇宙の姿 宇宙の物質の起源に迫る

著:田中 雅臣

紙版

内容紹介

人類がこれまでに得たさまざまな宇宙の観測手段――可視光の望遠鏡に始まり、赤外線、電波、X線……さらに近年では「ニュートリノ」を用いた素粒子天文学や重力波天文学など。それらを組み合わせ、これまで解明されていなかった「宇宙の謎」を解き明かしているものが「マルチメッセンジャー天文学」です。

鉄より重い元素はどのように作られるのか? ブラックホールの合体、中性子星の謎、そして、宇宙の始まりに何が起こったのか?
いま人類は、これら宇宙への根源的な問いに迫ろうとしています!

米国科学アカデミーが2021年に発表した「今後10年における天文学の3つの重要テーマ」のひとつに挙げられる「マルチメッセンジャー天文学」
超新星爆発などの突発天体、さらにマルチメッセンジャー天文学の新鋭研究者として知られる著者が、実際の観測データを紹介しながら、その基礎から最新研究までを徹底的に解説します。

この1冊で、観測に立脚する天文学研究の最前線を知ることができます!

目次

   まえがき

第一部 さまざまな「目」で見る宇宙
 
 1章  宇宙を「見る」
  1・1 星を見る
  1・2 様々な電磁波
 2章  宇宙のスケール
  2・1 宇宙の長さスケール
   コラム:宇宙で距離を測る 
  2・2 宇宙の質量スケール
   コラム:ブラックホール
 第3章 様々な電磁波で見る宇宙
  3・1 可視光・赤外線で見る宇宙
  3・2  X線・ガンマ線で見る宇宙

第二部 宇宙の爆発現象
 
 4章 超新星爆発
  4・1 星の一生
  4・2 重力崩壊型超新星
  4・3 超新星爆発の電磁波観測
  4・4 核爆発型超新星
  4・5 元素の起源
 第5章 ガンマ線バースト
  5・1 ガンマ線バーストとは
  5・2 ガンマ線バーストの起源
   コラム:天文学の単位
 第6章 中性子星合体
  6・1 連星をなす中性子星
  6・2 中性子星合体と元素の起源
  6・3 キロノバ


第三部 宇宙を探る新しい手段
 
 第7章 ニュートリノ天文学
  7・1 身の回りのニュートリノ
  7・2 太陽ニュートリノ
  7・3 ニュートリノ天体
 第8章 重力波天文学
  8・1 重力波とは
  8・2 重力波天体
  8・3 重力波天文学の始まり
   コラム:重力波初検出の裏側

第四部 マルチメッセンジャー天文学の誕生
 
 第9章 超新星爆発のマルチメッセンジャー観測
  9・1 超新星SN 1987Aの観測
  9・2 超新星SN 1987Aのその後
  9・3 超新星爆発研究の最前線
 第10 章 中性子星合体のマルチメッセンジャー観測
  10・1 中性子星合体GW170817の観測
  10・2 ガンマ線バースト
  10・3 キロノバ
  10・4 重力波天体研究の最前線
   コラム:GW170817のマルチメッセンジャー観測
 第11 章 高エネルギーニュートリノ天体のマルチメッセンジャー観測
  11・1 宇宙線の起源
  11・2 高エネルギーニュートリノの観測
  11・3 IceCube-170922Aの観測
  11・4 高エネルギーニュートリノ天体研究の最前線
 第12 章 マルチメッセンジャー天文学の将来
  12・1 多波長重力波天文学
  12・2 全メッセンジャー天文学
  12・3 マルチメッセンジャーで見る宇宙

   あとがき

著者略歴

著:田中 雅臣
1983年、愛知県生まれ。東北大学大学院理学研究科天文学専攻准教授。東京大学大学院理学系研究科天文学専攻博士課程修了。博士(理学)。東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構特任研究員、国立天文台助教などを経て現職。専門は宇宙物理学。宇宙の様々な突発天体の観測や理論研究を通して、高エネルギー爆発現象の物理メカニズムや、宇宙の元素の起源などを研究している。著書に、『星が「死ぬ」とはどういうことか よくわかる超新星爆発』(ベレ出版)。

ISBN:9784065261347
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:274ページ
定価:1100円(本体)
発行年月日:2021年12月
発売日:2021年12月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PDZ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:PG
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:TTD