講談社学術文庫
中国の歴史 2 都市国家から中華へ
殷周 春秋戦国
著:平勢 隆郎
内容紹介
講談社創業100周年企画「中国の歴史・全12巻」の学術文庫版がいよいよスタート。本全集は、2014年には中国で、2016年からは台湾で翻訳出版され、累計で150万部を超えるベストセラーになっている。
第1巻と同時発売の第2巻では、夏・殷・周の三代の王朝と、春秋戦国時代を扱う。司馬遷の『史記』などに語られる歴史は、すべてが確かな「事実」なのだろうか。後代の建て前や常識に縛られ、架空の「事実」を盛り込まれた史書や注釈書の中から、ほんとうの「事実」を探り出す道筋を示す。夏殷周三代の王朝や、戦国時代の領域国家は、新石器時代以来の文化地域を母体として成立しており、いまだ『史記』で語られるような「天下」を成してはいなかったのである。
紀元前1023年、大国・殷を滅ぼした周は、青銅器に文字を鋳込む技術を殷から継承し、独占してそれを権威とした。しかし、その周も前8世紀には東西に分裂してやがて滅ぶ。つづく春秋時代も、それまでと同じく文化地域ごとに大国が小国を率いた時代だったが、漢字が周以外の大国の地域にも根づいていく。そして、大国が小国を滅ぼして官僚を派遣し、中央と地方を結ぶ文書行政が開始され、それを支える律令が整備されたのが、戦国時代だった。〔原本:2005年、講談社刊〕
目次
はじめに 文化地域が歴史的にもっている性格
第一章 本書が扱う時代
第二章 周王朝の史実
第三章 「華夏」の源流と夏殷周三代
第四章 戦国諸国それぞれが語る夏殷周三代
第五章 夏王朝・殷王朝の史実
第六章 春秋時代の史実
第七章 戦国時代の史実
第八章 戦国時代の学術
第九章 戦国時代を変革した人々
第一〇章 新たに比較検討される春秋時代像、そして夏殷周三代像
学術文庫版のあとがき
主要人物略伝
歴史キーワード解説
参考文献
年表
索引