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講談社学術文庫

ユダヤ人と経済生活

著:ヴェルナー・ゾンバルト
訳:金森 誠也

紙版

内容紹介

マックス・ヴェーバーと並び称されたドイツの経済学者が1911年に著した代表著作。ヴェーバーとは異なり、プロテスタンティズムは資本主義を阻害するものであり、ユダヤ人のほうが資本主義の発展につくした、という。国際的な経済の中心地の移動と、ユダヤ人の人口移動との関連を明らかにし、さらに、ユダヤ人がこうした役割を果たしたのは近代以前からであることを、歴史をさかのぼり、その宗教生活を探ることで解明していく。


20世紀初頭、マックス・ヴェーバーと並び称されたドイツの経済学者、ゾンバルトが1911年に著した代表著作。
ゾンバルトは、ヴェーバーが「近代資本主義の発展にはプロテスタンティズムの経済倫理が大きく影響している」と論じたのに刺激を受けて、本書を執筆したという。しかし、その結論はヴェーバーとは全く異なり、プロテスタンティズムは資本主義をむしろ阻害するものであり、ユダヤ人のほうが資本主義の発展促進につくした――と述べている。
詳細なデータ分析によって、国際的な経済の中心地の移動と、ユダヤ人の人口移動との関連を明らかにし、さらに、ユダヤ人がこうした役割を果たしたのは、ずっと以前からであることを、歴史をさかのぼり、その宗教生活を探ることで解明していく。
こうしたゾンバルトの「ユダヤ人論」は、朋友にしてライバルのヴェーバーはもちろん、ユダヤ主義、反ユダヤ主義の双方からも批判を浴びた。しかし、「ユダヤ人と資本主義の適性」を論じた本書は、ユダヤ系資本の力の大きさがあらためて見せつけられる現在こそ、大いに読まれるべきものであろう。
〔1994年、荒地出版社刊の同名書籍を、一部割愛して文庫化。原著:Werner Sombart, Die Juden und das Wirtschaftsleben,1911〕

目次

第一部 近代国民経済形成へのユダヤ人の関与
 第一章 調査方法―関与の方式と範囲
 第二章 十六世紀以来の経済中心地の移動
 第三章 国際商品取引の活性化
 第四章 近代植民地経済の創設
 第五章 近代国家の建設
 
第二部 ユダヤ人の資本主義への適性
 第八章 問題
 第九章 「資本主義的経済人の機能」
 第十章 資本主義へのユダヤ人の客観的適性
 第十一章 ユダヤ教の経済生活に対する意味
 第十二章 ユダヤ人の特性
解説

著者略歴

著:ヴェルナー・ゾンバルト
Werner Sombart 1863-1941。ドイツの経済学者,社会学者。ベルリン商科大学教授,ベルリン大学教授を歴任。著書に『近代資本主義』『恋愛と贅沢と資本主義』『戦争と資本主義』『ブルジョワ』等がある。
訳:金森 誠也
1927年,東京生まれ。東京大学文学部卒。広島大学,静岡大学,日本大学等の教授を歴任。1993年に日本独学史学会賞,2007年に国際文化表現学会賞受賞。訳書にゾンバルト『恋愛と贅沢と資本主義』『戦争と資本主義』『ブルジョワ』,ショーペンハウアー『孤独と人生』,モール『ドイツ貴族の明治宮廷記』,『カント「視霊者の夢」』ほか多数。

ISBN:9784062923033
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:400ページ
定価:1360円(本体)
発行年月日:2015年06月
発売日:2015年06月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCZ