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講談社学術文庫

対話のレッスン 日本人のためのコミュニケーション術

著:平田 オリザ

紙版

内容紹介

「日常会話」や「雑談」は得意でも「対話」は苦手なことが多い日本人。ふだん同じ価値観の仲間とばかり会っているので、異なるコンテクストの相手と議論をしなくて済んでしまう。文化の違う相手と交渉したり共同作業をする経験が、まだ日本人には少ないのだ。さらに携帯電話などの登場で、世代間のギャップが広がる。それではどのようなスキルが必要なのか。豊富な具体例をもとに、新しいコミュニケーションの在り方を真摯に探る。


日本人の多くはなぜコミュニケーション・スキルが身につかないのか。政治家も経営者も、「演説」「日常会話」「雑談」は得意でも「対話」「談話」は苦手なことが多い。
ふだん同じ価値観の仲間とばかり会っていると、異なるコンテクストの相手と議論をしなくて済む。文化の違う相手と交渉したり共同作業をする経験が、まだ日本人には少ない。さらに携帯電話、ネットなどの新しいツールの登場で、世代間のギャップは広がる。
それでは、どうしたら対話が生まれるのか。どのようなコミュニケーション・スキルが必要なのか。
――豊富な具体例をもとに、新しいコミュニケーションの在り方を真摯に探る。

解説――高橋源一郎
「みなさんも、この本を読みながら、著者である平田オリザさんと共に、ゆっくりと(平田さんが指摘するようなこと、あるいは、それに触発されて、みなさんの内側に巻き起こってくることについて)考えてもらいたいのである。それは、みなさんにとっても、たいへん貴重な時間になるだろう」

目次

話し言葉の地図/電脳時代の対話術/っていうか……/過ぎたるは及ばざるがごとし/なんでやねん/ヒトとサルのあいだ/単語で喋る子供たち/「ここ、よろしいですか?」/畳の上では死ねない仕事/コンテクストのずれ/「ネ・サヨ」運動と「ネ・ハイ」運動/顔文字は世界を救うか/ひよこはどこのお菓子か?/半疑問形の謎/日本語はどう変わっていくのか/フランス人との対話/敬語は変わる/ため口をきく/対話のない世界 /対話をはばむ捏造と恫喝/新しいアクセントの世界/英語公用語論/悪口言い放題社会/対話という態度/21世紀、対話の時代に向けて
解説――来るべき社会(高橋源一郎)

著者略歴

著:平田 オリザ
1962年、東京生まれ。国際基督教大学在学中に劇団「青年団」結成。戯曲と演出を担当。
桜美林大学などを経て、現在は東京藝術大学・アートイノベーションセンター特任教授、大阪大学コミュニケーションデザイン・センター客員教授、四国学院大学客員教授・学長特別補佐、京都文教大学客員教授。
戯曲の代表作に『東京ノート』(岸田國士戯曲賞受賞)、『その河をこえて、五月』(朝日舞台芸術賞グランプリ)、著書に『演劇入門』『演技と演出』『わかりあえないことから』(以上、講談社現代新書)、『芸術立国論』(集英社新書)、『話し言葉の日本語』(井上ひさしとの共著、新潮文庫)、小説『幕が上がる』(講談社文庫)など多数。

ISBN:9784062922999
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:264ページ
定価:1050円(本体)
発行年月日:2015年06月
発売日:2015年06月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VSL
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:DS