講談社現代新書
フリーメイソン
西欧神秘主義の変容
著:吉村 正和
紙版
内容紹介
ゲーテ、ワシントン、マッカーサー……歴史を彩ったフリーメイソンは数知れない。『魔笛』に描かれた、密儀参入と人間完成への希求。古代と近代、神秘と科学、人間と神をつなぐネットワーク。フリーメイソンを、西欧思想の系譜に、鮮やかに位置づける。
『ウィルヘルム・マイスター』に描かれたフリーメイソン精神――そこには「塔の結社」というフリーメイソンをモデルとする組織が登場し、主人公ウィルヘルムの自己実現を助ける。……ウィルヘルムはやがて、こうした理想の実現を求めて、同志とともに新大陸アメリカへの移住を決意する。ウィルヘルムは小説の中の人物であるが、彼の目指すアメリカでは、新しい理想国家の実現のための活動は着々と進められていた。そして、アメリカという現実の国家建設において重要な役割を果たしたのも、フリーメイソンであった。われわれも、ウィルヘルムとともに、アメリカに眼を転じてみることにしよう。――本書より
目次
●秘密の合言葉と合図
慈善団体か親睦クラブか?
●フリーメイソンの起源と歴史
カトリック教会に匹敵する大ネットワークに
ロッジでは何が行われていたのか?
●モーツァルトの「魔笛」と参入儀礼
西欧文明に流れる始原(アルケー)への夢
●アメリカの形成とフリーメイソン
フリーメイソンだったアメリカン・ヒーローたち
●日本国憲法とフリーメイソン精神
ISBN:9784061489301
。出版社:講談社
。判型:新書
。ページ数:188ページ
。定価:720円(本体)
。発行年月日:1989年。