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角川ソフィア文庫

生物にとって時間とは何か

著:池田 清彦

紙版

内容紹介

物理化学の法則だけでは理解できない生命現象。その核心をなす生物に固有の「時間」を、これまでの生物学は捉えそこなってきた――。巧妙に突然変異を呼び込み、進化を加速するDNA複製システム。未知なるウイルスを予期し、迎え撃つ免疫システム。遺伝・発生・進化など様々な事例をもとに、「未来」を探る生物の姿を紹介。生命現象の最終法則とは?その探究方法とは?時間の観点から生物学の新たな眺望をひらく、根源的生命論!

目次

第1章 生命現象の「法則」をさぐる
1 変わりゆく「いのちの時空」 代謝と循環
2 生命をそのまま描く オートポイエーシスの構想
3 自己‐非自己の境界が溶解する 免疫システム
4 変わるものと変わらないもの 遺伝・発生・進化

第2章 生命探究の「方法」をさぐる
1 自然と人間と科学の関係 K・ポパーの三世界論
2 生物学者の困難な使命とは? コトバと同一性
3 どこに、何が実在するのか? 脳と実在
4 脳科学の「迷宮」 クオリアと同一性
5 無知か?クセか? 因果性と脳

第3章 生命進化の「原理」をさぐる
1 進化論のドグマ ネオダーウィニズム再批判
2 何が進化するのか? 生命システムと内部選択
3 ボディプランの「揺らぎ」 進化における拘束性
4 「種」は実在するか? 種と同一性
5 重層化する生命システム 進化と分類

第4章 生命がそなえる「時間の形式」をさぐる
1 生きている物質 時間の非対称性
2 生命誕生のシナリオ ルールと布置
3 時間を産み出す生命 創発性と時間の生成

あとがき
文庫版あとがき

著者略歴

著:池田 清彦
1947年生まれ。生物学者。早稲田大学国際教養学部教授、山梨大学名誉教授。構造主義生物学の立場から科学論、社会評論等の執筆も旺盛に行う。カミキリムシの収集家としても知られる。『不思議な生き物』『初歩から学ぶ生物学』『やがて消えゆく我が身なら』など著書多数。

ISBN:9784044052188
出版社:KADOKAWA
判型:文庫
ページ数:222ページ
定価:781円(本体)
発行年月日:2013年05月
発売日:2013年05月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PDZ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:PS