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朝日新書 774

中流崩壊

著:橋本 健二

紙版

内容紹介

日本人はなぜ長い間、自分を「中流」と思ったのか――?かつてさかんに言われた「一億総中流」とは、社会調査のミスリードと国民の願望がつくりあげた“幻想”に過ぎなかった。現在、日本社会はかつてないほどに格差が拡大し、中流層は消滅寸前にある。さらに新型コロナ禍が追い打ちとなり「下流」に滑落するリスクが高まっている。また、中流内の二つの階級?新中間階級と旧中間階級?の分断が進み、あらゆる面で対立が深刻なものになりつつある。本書は、戦後日本における中流の生成と軌跡を、データを通じて論じるとともに、社会における「中流」の役割を検証し、階級社会の実相を浮き彫りにするとともに、理想的な「中流」のあり方を探る。新型コロナ禍と二つの「中流」??まえがきにかえて第1章 「総中流」の思想1 「総中流」論の起源2 日本における「総中流」論3 つくられた「総中流」4 虚構としての「中流」5 正当化の論理としての「総中流」6 「総中流」はなぜ受け入れられたのか第2章 理想としての「中流」1 ロビンソン・クルーソーの父親の教え2 二つの「中流 」3 働き方としての「中流」4 目標としての「中流」5 「中流」という幻想第3章「総中流」の崩壊1 「総中流」から「格差社会」まで2 「中流」の分解と「階層消費」(第Ⅰ期・第Ⅱ期)3 格差拡大からバブル崩壊まで(第Ⅲ期・第Ⅳ期)4 そして日本は「格差社会」へ(第Ⅴ期)5 解体する「中流意識」第4章 実態としての「中流」1「中流」の多様な類型2 現代日本の新中間階級3 現代日本の旧中間階級4「中流」の多様性と共通点第5章 主体としての「中流」1 ファシズムの社会的基盤としての「中流」2 穏健保守としての「中流」3 社会変革の担い手としての「中流」4 政治意識からみた三つのグループ5 「中流」の三つのタイプ終章 中流を再生させるには――「総中流」のあり方を探る。1 「総中流」の成立と崩壊2 「中流」再生と「新しい“総中流”社会」の条件3 いま「中流」の使命は

ISBN:9784022950789
出版社:朝日新聞出版
判型:新書
ページ数:296ページ
定価:850円(本体)
発行年月日:2020年07月
発売日:2020年07月13日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB