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岩波現代文庫 社会336

増補 空疎な小皇帝 「石原慎太郎」という問題

著:斎藤 貴男

紙版

内容紹介

石原慎太郎没後、メディアに溢れる礼賛の言葉。しかし三期一二年にも及んだ石原都政は、差別的な言動でポピュリズムや排外主義を煽り、公共空間を私物化し続けた。その姿勢こそ、現代の歪んだ政治・社会の源流ではないのか。石原都政の暗部に迫り反響を呼んだルポに新取材を加え、いま改めて「負の遺産」を浮き彫りにする。

目次

 現代文庫版はじめに――「陽はまた昇る」のか?

第一章 “嫌悪”を操る伏兵たち

第二章 タカ派の元同志を激怒させた無節操

第三章 台湾海峡で危険な火遊び

第四章 社会的弱者への冷たいまなざし

第五章 東京を舞台に戦争ごっこ

第六章 防災スペクタクルの一日――〈検証〉ビッグレスキュー東京二〇〇〇

第七章 私物化される公共空間

 単行本版あとがき

 追記Ⅰ(ちくま文庫版、二〇〇六年八月刊)
 追記Ⅱ(講談社文庫版、二〇一一年三月刊)

 現代文庫版増補――「石原的なるもの」に向きあうために

 付録Ⅰ ヘイトやフェイクの時代の先駆者、石原慎太郎氏への弔辞
 付録Ⅱ あえて、いま石原慎太郎を批判する

著者略歴

著:斎藤 貴男
斎藤貴男(さいとう たかお)
1958年東京生まれ.ジャーナリスト.早稲田大学商学部卒業.英国バーミンガム大学修士(国際学MA).新聞記者,月刊誌編集者,週刊誌記者を経てフリー.主な著書に『機会不平等』『民意のつくられかた』(以上,岩波現代文庫),『「明治礼讃」の正体』(岩波ブックレット),『ジャーナリストという仕事』(岩波ジュニア新書),『戦争経済大国』(河出書房新社),『「東京電力」研究 排除の系譜』(角川文庫),『決定版 消費税のカラクリ』(ちくま文庫)ほか.

ISBN:9784006033361
出版社:岩波書店
ページ数:350ページ
定価:1340円(本体)
発行年月日:2023年03月
発売日:2023年03月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JP