岩波現代文庫 学術469
増補 昭和天皇の戦争
「昭和天皇実録」に残されたこと・消されたこと
著:山田 朗
内容紹介
「聖断」によって日本を救った平和主義者――多くの人が抱く昭和天皇のイメージは真実だろうか。昭和天皇研究の第一人者が「昭和天皇実録」を読み解き、「大元帥」として陸海軍を統帥した天皇の実像を明らかにする。「昭和天皇拝謁記」や「百武三郎日記」などの新資料もあわせ検証した補章を付す。(解説=古川隆久)
目次
はじめに――「昭和天皇実録」に残されたこと・消されたこと
第Ⅰ部 大元帥としての天皇――軍事から見た「昭和天皇実録」の特徴
第一章 国務と統帥の統合者としての昭和天皇
1 国策決定のための御前会議
2 軍事戦略決定のための大本営会議
3 戦況奏上の様相
第二章 軍事と政治・儀式のはざま
1 天皇と観兵式
2 天皇と陸軍特別大演習
3 天皇と海軍特別大演習
第Ⅱ部 昭和天皇の戦争――即位から敗戦まで
第三章 軍部独走への批判から容認へ――満洲事変期(一九二六〜三六年)
1 張作霖爆殺と田中義一内閣総辞職
2 満洲事変と国際連盟脱退
3 二・二六事件
第四章 戦争指導・作戦指導の確立――日中戦争期(一九三七〜四〇年)
1 日中全面戦争の始まりと御前会議開催論
2 軍部人事への天皇の介入
3 日中戦争泥沼化への対応――張鼓峰事件と宜昌作戦
第五章 アジアとの戦争/欧米との戦争――南進と開戦(一九四〇〜四二年)
1 武力南進路線
2 対英米戦への躊躇
3 対英米開戦論への傾斜
4 緒戦の勝利
第六章 悪化する戦況と「国体護持」――戦争指導と敗戦(一九四二〜四五年)
1 昭和天皇の戦争指導① ガダルカナル攻防戦
2 昭和天皇の戦争指導② 天皇の決戦要求
3 戦況の悪化――天皇と軍事情報
4 「終戦」の「聖断」
おわりに
補 章 公開新資料から見た昭和天皇の戦争
1 『百武三郎日記』から見た昭和天皇の戦争
2 『坪島文雄日記』から見た昭和天皇の戦争
3 田島道治『拝掲記』から見た昭和天皇の戦争
注
参考文献一覧
岩波現代文庫版あとがき
解 説………古川隆久
ISBN:9784006004699
。出版社:岩波書店
。ページ数:398ページ
。定価:1670円(本体)
。発行年月日:2023年09月
。発売日:2023年09月20日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WQY。