岩波新書 新赤版 1893
ユーゴスラヴィア現代史 新版
著:柴 宜弘
内容紹介
民族、国家、宗教、言語……。独自の社会主義連邦の道を歩んできたユーゴの解体から三〇年。暴力と憎悪の連鎖が引き起こしたあの紛争は、いまだ過ぎ去らぬ重い歴史として、私たちの前に立ちはだかっている。内戦終結から現在にいたる各国の動向や、新たな秩序構築のための模索などについて大幅に加筆。ロングセラーの全面改訂版。
目次
はじめに
第一章 南スラヴ諸地域の近代
1 オスマン帝国支配下の南スラヴ——セルビア、モンテネグロ、マケドニア
2 ハプスブルク帝国支配下の南スラヴ——クロアチア、スロヴェニア
3 オスマン帝国支配からハプスブルク帝国支配へ——ボスニア・ヘルツェゴヴィナ
4 南スラヴ統一構想の胎動
第二章 ユーゴスラヴィアの形成
1 セルビア王国の発展
2 第一次世界大戦と南スラヴ統一運動
3 擬制の「国民国家」の成立
4 進まぬ統合と「多民族性」の承認
第三章 パルチザン戦争とは何だったのか
1 ユーゴスラヴィアの分割
2 パルチザン戦争の展開
3 「第二のユーゴスラヴィア」の基礎
第四章 戦後国家の様々な実験——連邦制・自主管理・非同盟
1 人民民主主義期の改革
2 理念としての自主管理社会主義の出発
3 「七四年憲法体制」への移行
第五章 連邦解体への序曲
1 チトー以後の諸問題
2 七四年憲法の修正と「連邦制の危機」
3 東欧変革の流れのなかで
第六章 ユーゴスラヴィア内戦の展開
1 クロアチア内戦
2 ボスニア内戦への拡大
3 ボスニア内戦と国際社会
4 少数者アルバニア人をめぐる二つの紛争
第七章 新たな政治空間への模索
1 ユーゴ解体の最終章
2 ヨーロッパ統合と旧ユーゴ諸国の分断
3 地域アイデンティティの変容
終 章 歴史としてのユーゴスラヴィア
あとがき
新版追記
主要参考文献