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岩波新書

日本経済30年史

バブルからアベノミクスまで

著:山家 悠紀夫

紙版

内容紹介

「失われた30年」とも呼ばれ,90年以降,低迷を続ける日本経済.この間,企業業績や私たちの暮らしはどう変化してきたか.豊富なデータにもとづき,30年間の景気の動きを追跡.その時々の政権によって実施された無用の諸「改革」が景気の腰を折り,日本経済の構造をどのように変質させていったのかを浮き彫りにする.

目次

  はじめに

Ⅰ 一九九〇年代以降の日本経済を概観する

 第一章 三〇年間で日本経済や暮らしはどう変わったか
  1 景気はどう動いてきたか
  2 日本経済はどう変化してきたか
  3 企業業績はどう変化してきたか
  4 暮らしはどう変化してきたか

Ⅱ 三〇年間の変化を追っていく

 第二章 バブルの発生から,膨張,破裂まで(一九八五~九〇年)
  1 株価,地価の上昇とバブル化
  2 何がバブルを発生させ,膨張させたか
  3 金融政策,金融行政の転換――バブルの破裂へ

 第三章 バブル破裂後の七年間(一九九〇~九七年)
  1 長期に及んだ景気下降期間
  2 九三年一一月以降,それでも景気は回復に向かっていた
  3 金融破綻の発生,高まる危機意識

 第四章 橋本「構造改革」政策の実施とその破綻(一九九七~二〇〇〇年)
  1 橋本内閣の「六つの改革」
  2 「改革」がもたらした景気下降
  3 金融危機の発生,「貸し渋り」「貸し剝がし」
  4 「改革路線」の修正による景気回復
  5 「理想はアメリカ」,再び「構造改革」路線へ

 第五章 小泉内閣の誕生と本格的「構造改革」政策の実施(二〇〇一~〇九年)
  1 小泉「構造改革」内閣の発足
  2 「不良債権の処理」という政策
  3 「攻めの構造改革」 ――「官から民へ」,そして「規制改革」
  4 景気は輸出主導で回復したが,内需不振が続く
  5 リーマン・ショックによる「構造改革」の矛盾の表面化

 第六章 「構 造改革」とは何であったか(第四章~第五章への補論)
  1 「構造改革」とは何であったのか
  2 「構造改革」は日本経済に何をもたらしたか

 第七章 民主党政権の誕生とその自壊(二〇〇九~一二年)
  1 鳩山内閣,支持率七〇%超での出発から「最低でも県外」実現できずの退陣まで
  2 菅内閣,背信の「新成長戦略」の策定,消費税増税発言による自爆
  3 野田内閣,自公政権への道ならし?――「社会保障と税の一体改革」
  4 民主党政権下の三年三カ月をふり返る

 第八章 ア ベノミクス,超金融緩和と三度目の「構造改革」(二〇一三~一九年)
  1 第二次安倍政権の発足――経済政策「アベノミクス」の三つの特徴
  2 アベノミクスの政策①――「大胆な金融政策」をめぐって
  3 アベノミクスの政策②――「機動的な財政政策」「成長戦略」その他
  4 日本経済はどう変化してきたか
  5 アベノミクスは失敗した,それでもまだまだ続きそう
  6 これからの経済と暮らし,どうなる? どうしたらいいか?

Ⅲ 日本財政をどう捉えるか

 第九章 日本は世界一の金余り国――ギリシアにはならない(第三章~第八章への補論)

  参考文献
  おわりに

著者略歴

著:山家 悠紀夫
山家悠紀夫(やんべ ゆきお)
1940年,愛媛県生まれ.神戸大学経済学部卒業.1964年,第一銀行に入行.1991年,第一勧業銀行調査部長,1994年,第一勧銀総合研究所専務理事,2001年,神戸大学大学院経済学研究科教授などを歴任.現在,「暮らしと経済研究室」主宰.
著書に,『偽りの危機本物の危機』(東洋経済新報社),『「構造改革」という幻想――経済危機からどう脱出するか』(岩波書店),『景気とは何だろうか』(岩波新書),『アベノミクスと暮らしのゆくえ』(岩波ブックレット)ほか多数.

ISBN:9784004317999
出版社:岩波書店
判型:新書
ページ数:334ページ
定価:1000円(本体)
発行年月日:2019年10月
発売日:2019年10月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCZ