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岩波新書 新赤版 1753

物流危機は終わらない

暮らしを支える労働のゆくえ

著:首藤 若菜

紙版

内容紹介

宅配が止まる? その原因は物流現場の労働問題にあった! 現代日本が直面した困難を労働の視点から描く。

目次

はじめに

第1章 宅配が止まる? ――ヤマト・ショックから考える
 1 ヤマト運輸の「サービス残業」問題
 2 「即日配達」と「送料無料」――ネット通販以後
 3 「お客様のために」――形骸化していったルール
 4 社会を維持するコスト

第2章 休めない,支払われない,守られない――トラックドライバーの現実
 1 物流の九割を占める日本経済の黒衣
 2 ドライバーを取り囲む法制度の「抜け穴」

第3章 悩む物流――なぜこんなに安く荷物が届くのか
 1 激化する業界競争
 2 賃金の低下と成果主義の強化
 3 物流二法は何をもたらしたか

第4章 経済のインフラを維持できるか――持続可能性の危機
 1 危機の解決策はあるのか
 2 深刻化した人手不足
 3 「適正な料金」に向けて
 4 運賃が先か,賃金が先か
 5 荷主を巻き込む

第5章 物流危機が問いかけるもの
 1 「適正」な企業が淘汰され,「不適正」な企業がはびこる
 2 「高い質を安い価格で」の限界
 3 ルールづくりの重要性

あとがき

著者略歴

著:首藤 若菜
首藤若菜(しゅとう わかな)
1973年東京都生まれ.日本女子大学大学院人間生活学研究科博士課程単位取得退学.博士(学術).山形大学人文学部助教授,ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス労使関係学部客員研究員,日本女子大学家政学部准教授などを経て,
現在―立教大学経済学部教授
専攻―労使関係論,女性労働論
著書―『統合される男女の職場』(勁草書房,2003年,社会政策学会奨励賞受賞,冲永賞受賞)『グローバル化のなかの労使関係――自動車産業の国際的再編への戦略』(ミネルヴァ書房,2017年,労働関係図書優秀賞受賞,社会政策学会奨励賞受賞)

ISBN:9784004317531
出版社:岩波書店
判型:新書
ページ数:240ページ
定価:820円(本体)
発行年月日:2018年12月
発売日:2018年12月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KNG
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:TRC