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岩波新書 新赤版1461

性と法律

変わったこと、変えたいこと

著:角田 由紀子

紙版

目次

Ⅰ 結婚、離婚と子ども
 家族の変化/婚姻件数と離婚件数/明治民法における結婚と離婚/ 「改正」された家族法の問題点/ 「協議」が好きな家族法/力関係の差があるなかで/法律の変化と意識の変化のずれ/ 「でき婚」とドメスティック・バイオレンス/結婚は生活保障か/低すぎる養育費/養育費は、なぜ支払われないのか/面会交流/子どもは離婚後、親に会いたいのか/共同親権

Ⅱ ドメスティック・バイオレンス
 ドメスティック・バイオレンスとは/樋口一葉の「十三夜」/DV防止法の成立/女性の三人に一人が被害を経験/ドメスティック・バイオレンスは犯罪である/検挙数の大幅な増加/安全確保のために日常生活を放棄/保護命令の問題/接近禁止命令と面会交流/六割の被害者が申し立てない/退去命令は出にくい/自立の困難さ/子どもとともに貧しくなる/精神的な暴力は外から見えにくい/子どもはどうしているか/暴力の連鎖を断つために/面会させないという判断/加害者教育

Ⅲ 女性が働くとき
 女性の労働は、いま/M字カーブ/働くことが当たり前ではなかった時代/結婚退職は、どう扱われていたか/結婚退職制度は無効の判決/出産退職も無効/子どもを産んでも働き続けたい/女性弁護士が増えたこと/非正規公務員の実態/生涯続く「不利益」/男女賃金差別裁判①/男女賃金差別裁判②/男女賃金差別裁判③/同じものさしを作る/賃金差別は会社の利益に?/保育所が足りない/育児休業は長ければよいのか

Ⅳ 性暴力
  「性暴力」という言葉/被害経験者・相談者たちが教えてくれたこと/外から見えにくい被害/広く、深く、そして長引く被害、経済的負担も/刑法一七七条/保護法益としての「貞操」/暴行と脅迫/妻を法的に強姦することができるか/恥じることを求める社会/親告罪/被害者を女性に限定すべきか/本当の話が隠される仕組み

Ⅴ セクシュアル・ハラスメント
 西船橋事件/ピンクのパンフレット/対象となる行為/セクシュアル・ハラスメントという言葉がなかった時代/福岡事件で獲得したもの/ 『女六五〇〇人の証言』が語る働く女の姿/自由恋愛?/事実調査は迅速に/セクハラという言葉の流通/まずストップさせる/ 「不祥事」で抜け落ちること/なぜ辞めるのか?/キャンパス・セクハラ/恋愛とセクハラ/無名の女たちの力を基礎に/性的人格権

Ⅵ 売買春と法
 台湾での「一部合法化」と韓国での「厳罰化」/売春防止法/狭すぎる「売春」の定義/風営法とは/売防法により処罰される女性たち/男性より重い処罰/判例に現れた女性たち/ 『風俗嬢意識調査』が示すもの/貧しさと居場所探し/社会の排斥力/刑事弁護人として出会って/現場の女性たちが困っていること/健康上の問題/自己決定権だけでは足りない/合法化されれば強制にさらされないのだろうか/人間の尊厳

あとがき
主要引用・参考文献

ISBN:9784004314615
出版社:岩波書店
判型:新書
ページ数:224ページ
定価:820円(本体)
発行年月日:2013年12月
発売日:2013年12月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBS