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岩波文庫 青N606-1

人間の知的能力に関する試論 (上)

著:トマス・リード
訳:戸田 剛文

紙版

内容紹介

スコットランド常識(コモン・センス)学派を代表するトマス・リード(1710-1796)は、経験論や観念説が陥る懐疑主義的傾向を批判し、人間本性(自然)に基づく「常識」を認識や思考のフレームとすることを唱えた。20世紀のプラグマティズムにもつながる、近代哲学のもう一つの思潮。

目次

 凡例
 献辞
 序

第一巻 予備的考察
 第一章 言葉の解明
 第二章 前提される原理について
 第三章 仮説について
 第四章 類推について
 第五章 心の働きを知る適切な手段について
 第六章 自分自身の心の働きを注意することの難しさについて
 第七章 心の能力の区別について
 第八章 心の社会的な働きについて

第二巻 外的感覚によってえられる能力について
 第一章 感覚器官について
 第二章 感覚器官、神経、脳への印象について
 第三章 神経と脳に関する仮説
 第四章 さきほど述べた印象から導かれた誤った結論
 第五章 知覚について
 第六章 自然の現象を説明すること
 第七章 外的対象の知覚についての哲学者の意見──第一にマールブランシュ教父の理論について
 第八章 知覚の共通理論について、そしてペリパトス学派とデカルトの意見について
 第九章 ロック氏の意見について
 第十章 バークリ主教の意見について
 第十一章 観念の本性に関するバークリ主教の意見
 第十二章 ヒューム氏の意見について
 第十三章 アントニー・アルノーの意見について
 第十四章 観念の共通理論に対する反省
 第十五章 ライプニッツの体系の考察
 第十六章 感覚について
 第十七章 知覚の対象について──第一に一次性質と二次性質について
 第十八章 知覚の他の対象について
 第十九章 物質と空間
 第二十章 感官の明証性と信念一般について
 第二十一章 感官の発達について
 第二十二章 感官の誤りについて

第三巻 記憶について
 第一章 記憶について明らかで確かなこと
 第二章 原初の機能としての記憶
 第三章 持続について
 第四章 同一性について
 第五章 観念の起源についてのロック氏の説明、特に、持続の観念について
 第六章 人格の同一性についてのロック氏の説明について
 第七章 記憶に関する諸理論

 訳注
 解説(戸田剛文)

ISBN:9784003860236
出版社:岩波書店
ページ数:632ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2022年12月
発売日:2022年12月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDHR
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDX