岩波文庫 青N130-1
日本の中世国家
著:佐藤 進一
紙版
内容紹介
「知識人社会の抜きがたい(…)仲間意識の源流を探りたいという現実的欲求が、本書の執筆を支えた、と言ったら、読者は笑うだろうか?」(「自歴略譜」より)。律令国家解体のあとに生まれた王朝国家と、東国に新たに生まれた武家政権。中世国家の「二つの型」の構造と特質を、権力の二元性を軸に読み解く。(他一篇)
目次
日本の中世国家
はしがき
序 章 律令国家について
第一章 王朝国家
第一節 令外の官
蔵人所の成立と展開/検非違使
第二節 官司請負制
弁官局大少史の場合/外記局の場合/使庁の場合
第三節 職と家業
職の特質/家業/准用と折中/家業の論理
第二章 鎌倉幕府
第一節 成立過程と構造上の問題
最勝親王の宣/寿永二年の宣旨/守護地頭の勅許/鎌倉幕府の構造
第二節 執権制
頼朝以後/法と衆議/将軍と執権
第三節 得宗専制
北条氏の権力集中/体制の矛盾と蒙古襲来/得宗政治
第三章 王朝国家の反応
第一節 王朝の復興
関白と関東申次/院の評定制/官司請負制の展開
第二節 建武新政
国司制度の改革/中央官司の改革/八省の卿
むすび
注
室町幕府開創期の官制体系
一 政治機関の個別考察
二 尊氏・直義の権限区分と官制
三 官制体系の政治的背景――むすびにかえて
注
解説……………五味文彦