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岩波ブックレット

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インディオの村通い40年 〈いのち〉みつめて

著:清水 透

紙版

内容紹介

異文化社会のリアルな歴史像を描き出す方法を求めて、著者は長年メキシコの先住民の村に通い続け、伝統と近代のはざまで揺れる人々の語りに耳を傾けてきた。村での様々な出会いと気づきに加え、愛娘の早すぎる死、自身の臨死体験を重ねて、〈いのち〉の原点から世界をみつめる境地に至る半生の歩みを、軽やかにして味わい深い筆致で綴るエッセイ。

目次

はじめに――問われる「表側の常識」


1 レンズのこちら側・あちら側
 せめてひと言/隠し撮りされて/撮るということ/「芝生」からのまなざし/他所者は帰れ!

2 インディオの村で考える
 ひと切れの肉/立場に立てる?/ズレに悩む/分かったつもり

3 〈いのち〉みつめて
 遠ざかる村/預かったいのち/研究者に戻れよ!/記憶のズレ/現場への復帰

4 激変の村
 七年ぶりの村/フアニートとの再会/砂漠で消えた若者/役人とインディオの狭間で

5 聞き取りと歴史叙述
 時に危険を冒しても/問いと語り/風景の中の語り

6 残された時間
 心まで猫背/残された時をいかに


結びに――〈いのち〉からすべてを

著者略歴

著:清水 透
清水 透(しみず とおる)
1943年生まれ.東京外国語大学大学院修士課程修了.メキシコ大学院大学エル・コレヒオ・デ・メヒコ歴史学博士課程修了.東京外国語大学,獨協大学,フェリス女学院大学を経て,慶應義塾大学名誉教授.
著書に,『エル・チチョンの怒り――メキシコにおける近代とアイデンティティ』(東京大学出版会),『コーラを聖なる水に変えた人々――メキシコ・インディオの証言』(共著,現代企画室),「砂漠を越えたマヤの民――揺らぐコロニアル・フロンティア」(『オルタナティヴの歴史学』共著,有志舎),『ラテンアメリカ五〇〇年――歴史のトルソー』(岩波現代文庫),「家族と記憶」(『家族へのまなざし』共著,弘文堂)などがある.

ISBN:9784002710198
出版社:岩波書店
判型:A5
ページ数:56ページ
定価:680円(本体)
発行年月日:2020年02月
発売日:2020年02月07日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:NH