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中世史とは何か

著:ジョン・H.アーノルド
訳:図師 宣忠
訳:赤江 雄一

紙版

内容紹介

フィクションの世界で描かれる「暗黒の中世」は、近代ヨーロッパが創り出した政治的な物語だ。異端審問、王の儀礼、市民の裁判……注意深く史料を読み解けば、当時の人びとが生き生きと甦る。『歴史〈一冊でわかる〉』やBBCの企画、市民向け講座で有名なケンブリッジ大学教授が誘う、新鮮でドキドキする本格的中世史入門。

目次

 第二版への序文
 序文と謝辞
 地図

第1章 中世を枠付ける――リアルとフィクション
 とある中世的な話
 中世主義と史学史
 フレーミング(枠付け方)の政治学

第2章 中世を追跡する/史料と痕跡
 多声音楽か? 不協和音か?
 校訂版と文書館史料アーカイヴズ
 文書を使うこと
 年代記
 証書
 図像イメージ
 法史料

第3章 中世を読み解く――隣接諸学との協働
 人類学
 数字と統計
 考古学・科学・物質文化
 テクストと文化論

第4章 中世を議論する――深まる論点
 儀礼
 社会構造
 グローバリズム
 文化的アイデンティティ
 権力

第5章 中世を作り、作り直す――「中世主義」再考

 訳者あとがき
 注
 中世をより深く知るための読書ガイド
 索引

著者略歴

著:ジョン・H.アーノルド
ジョン・H. アーノルド(John H. Arnold)
1969年生.中世フランス史.ヨーク大学で中世学(Medieval Studies)のPh.D. を取得.イースト・アングリア大学,ロンドン大学バークベック校を経て,現在,ケンブリッジ大学歴史学部教授.
邦訳に『歴史〈1 冊でわかる〉』(新広記訳,福井憲彦解説,岩波書店,2003年).中世異端の問題を皮切りに,中世社会における多様な信仰実践など,幅広く宗教と文化の問題に取り組む.
訳:図師 宣忠
図師宣忠(ズシ ノブタダ)
1975年生.中世フランス史.京都大学博士(文学).甲南大学文学部教授.著書に『エーコ『薔薇の名前』――迷宮をめぐる〈はてしない物語〉』(慶應義塾大学出版会,2021年)ほか.中世の異端審問記録の作成・保管・利用の実態を探り,「声の文化」と「文字の文化」が織りなす関係の変容を追跡する.
訳:赤江 雄一
赤江雄一(アカエ ユウイチ)
1971年生.中世イングランド史および教会史.リーズ大学で中世学のPh.D. を取得.慶應義塾大学文学部教授.著書にA Mendicant Sermon Collection from Composition to Reception(Brepols, 2015)ほか.活版印刷以前の〈マス・メディア〉としての托鉢修道会の説教を糸口として,宗教・文化・政治・学問が絡み合う中世のインテレクチュアル・ヒストリーを探究する.

ISBN:9784000615778
出版社:岩波書店
判型:4-6
ページ数:270ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2022年12月
発売日:2022年12月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHD