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オーウェルの薔薇

著:レベッカ・ソルニット
訳:川端 康雄
訳:ハーン小路 恭子

紙版

内容紹介

ジョージ・オーウェルが一九三六年に植えた薔薇の生き残りとの出会いから、見過ごされてきた彼の庭への情熱に光をあて、精神の源を探るソルニット。豊かな思索の旅は、オーウェルの人生とその時代から、化石燃料としての石炭、帝国主義や社会主義と自然、花と抵抗をめぐる考察、薔薇産業のルポ等を経て、未来への問いへと続く。

目次

Ⅰ 預言者とハリネズミ
 1 死者の日
 2 フラワー・パワー
 3 ライラックとナチス

Ⅱ 地下にもぐる
 1 煙、頁岩、氷、泥、灰
 2 石炭紀
 3 闇のなか

Ⅲ パンと薔薇
 1 薔薇と革命
 2 私たちは薔薇を求めてもたたかう
 3 讃えるもの
 4 バタートースト
 5 昨日の最後の花薔薇

Ⅳ スターリンのレモン
 1 燧石の小路
 2 噓の帝国
 3 レモンを強いること

Ⅴ 隠棲と攻撃
 1 囲われた土地
 2 上流階級
 3 砂糖と芥子とチーク材
 4 オールドブラッシュ
 5 悪の華

Ⅵ 薔薇の値段
 1 美の問題
 2 薔薇工場にて
 3 水晶の精神
 4 薔薇の醜さ
 5 雪と墨

Ⅶ オーウェル川
 1 喜ばしきことどもの明細目録
 2 「ローズヒップと薔薇の花」
 3 オーウェル川

 謝 辞
 訳者解説1 『オーウェルの薔薇』と自然の主題
 訳者解説2 そぞろ歩きの「オーウェル風」

 写真クレジット
 注
 索 引

著者略歴

著:レベッカ・ソルニット
レベッカ・ソルニット(Rebecca Solnit)
1961年生まれ.作家,歴史家,アクティヴィスト.カリフォルニアに育ち,環境問題や人権,反戦などの運動に参加,1988年より文筆活動を始める.『定本 災害ユートピア』(高月園子訳,亜紀書房),『ウォークス』『迷うことについて』『私のいない部屋』(東辻賢治郎訳,左右社),『説教したがる男たち』『わたしたちが沈黙させられるいくつかの問い』(ハーン小路恭子訳,左右社),『それを,真の名で呼ぶならば』(渡辺由佳里訳,岩波書店)ほか著書多数.
訳:川端 康雄
川端康雄(かわばた やすお)
日本女子大学文学部教授.専門はイギリス文学,イギリス文化研究.著書に『『動物農場』ことば・政治・歌』『葉蘭をめぐる冒険』(みすず書房),『ジョージ・オーウェル』(岩波新書),『増補 オーウェルのマザー・グース』(岩波現代文庫),『オーウェル『一九八四年』』(慶應義塾大学出版会)ほか.訳書にオーウェル『動物農場 ― おとぎばなし』(岩波文庫),『オーウェル評論集』全4巻(編・共訳,平凡社ライブラリー)ほか.
訳:ハーン小路 恭子
ハーン小路恭子(ハーン しょうじ きょうこ)
専修大学准教授.専門は 20 世紀以降のアメリカ文学,アメリカ文化研究.訳書にソルニット『説教したがる男たち』『わたしたちが沈黙させられるいくつかの問い』(左右社)ほか.

ISBN:9784000615662
出版社:岩波書店
判型:4-6
ページ数:398ページ
定価:3300円(本体)
発行年月日:2022年11月
発売日:2022年11月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB