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イスラームの都市社会

中世の社会ネットワーク

著:アイラ・M.ラピダス
訳:三浦 徹
訳:太田 啓子

紙版

内容紹介

一三─一六世紀、マムルーク朝下のカイロやダマスクスでは、支配層から一般民衆に至る人々が結びあうさまざまな関係性のなかで、社会が営まれた。ヨーロッパ/アジアという二分法を超えてイスラームの都市社会を描いた社会史・都市史の名著。中国社会とイスラーム社会を比較した補論「ヒエラルヒーとネットワーク」を併載。

目次

 日本語版序文
 まえがき
 凡 例

序 章

第一章 マムルーク朝における都市の変遷
 シリアの平定――一二六〇-一三一七年
 繁栄と安全――一四世紀
 争乱の時代――一三八八-一四二二年
 一五世紀の復興――一四二二-一四七〇年
 マムルーク朝の衰退――一四七〇-一五一七年

第二章 都市の生活におけるマムルーク体制
 国家と権力の民営化
 マムルークの「イエ」の経済力
 不動産、労働、物資のコントロール
 都市共同体の機能とアミール
 結び

第三章 都市社会
 住民の階層
 街区の組織
 経済生活の組織
 社会の周縁における同胞組織
 ウラマーと都市社会の形成
 結び

第四章 政治システム――マムルーク朝国家と都市の名士層
 商人
 ウラマー
 結び

第五章 政治システム――暴力と無力のはざまの一般民衆
 経済的な不満と一般民衆の抗議
 ダマスクスのズールの役割
 民衆の軍事行動に対するマムルークのコントロール
 ルンペンプロレタリアート層の暴力のコントロール
 結び

第六章 結論――中世ムスリム都市における社会と政治体制

補 論 ヒエラルヒーとネットワーク――中国社会とイスラーム社会の比較

 訳者解説 都市から社会へ、歴史から現在へ(三浦 徹)
 参考文献案内
 訳者あとがき(太田啓子)

 索 引
 地図1 マムルーク朝の領域
 地図2 カイロ
 地図3 ダマスクス
 地図4 アレッポ
 地図5 ダマスクス市内と、その街区(ハーラ)

著者略歴

訳:三浦 徹
三浦 徹(みうら とおる)
1953年生。東京大学大学院人文科学研究科修了、お茶の水女子大学名誉教授、(公財)東洋文庫研究員。アラブ・イスラーム史。著作『イスラームの都市世界』(1997)、『イスラーム世界の歴史的展開』(2011)など。
訳:太田 啓子
太田啓子(おおた けいこ)
1972年生。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科修了(博士、人文科学)。(公財)東洋文庫研究員。メッカ史・国際商業史。論文“Coffee as a Global Beverage before 1700”(2018)など。

ISBN:9784000614689
出版社:岩波書店
判型:4-6
ページ数:350ページ
定価:4900円(本体)
発行年月日:2021年05月
発売日:2021年05月13日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FB