序 章
第1部 鏡の国のモンテスキュー?──混合政体論と権力分立論の重なり(1748~1765)
第1章 『法の精神』における混合政体/権力分立と二つの裁判権
第1節 「三権分立」をめぐる議論の錯綜
第2節 裁判権の重要性
第2章 仏英における『法の精神』受容とブラックストン『イングランド法釈義』
第1節 英語圏におけるモンテスキューの高評価
第2節 ブラックストンにおける混合政体論と権力分立論の重なり
第3節 モンテスキューからブラックストンへ──司法権の変奏と貴族身分の擁護
第2部 さまよえるブリテン人──帝国の誕生と、混合政体論の動揺(1763~1773)
第3章 総督と植民地──帝国的国制の態様
第1節 1763年勅令と新植民地の苦闘
第2節 トマス・パウナル──混合政体論なき権力分立論の萌芽
第3節 国王大権モデルと混合政体モデル──参議会への権力集中
第4章 ミドルセックス選挙における混合政体論と権力分立論の衝突
第1節 論争が起きるまで
第2節 庶民院議会における罷免の決議と、グレンヴィルの反論
第3節 ウィルクスの再選と、議会外への論争の波及
第4節 立法権と司法権の異同?
第5節 論争の終了と影響
第6節 非混合政体論的国制解釈への傾斜──ドゥロルム『イングランド国制』
第5章 植民地に裁判所を作る──1773年東インド会社規制法への道
第1節 支配権の確立から司法法案まで
第2節 東インド会社規制法案と最高裁判所
第3節 ブリテン帝国における権力分立論の誕生
第3部 そうやって最も美しい噓が生まれる──帝国的国制のアメリカ的変容(1774~1792)
第6章 ケベック法とジョン・ディキンソン
第1節 フランス法の尊重か、イングランド法の導入か──ケベック統治のディレンマ
第2節 ジョン・ディキンソン、反本国派のリーダーになる
第3節 『ケベック住民への手紙』におけるモンテスキューの援用
第4節 植民地期の権力分立テーゼ・再考
第7章 1776年の邦憲法制定
第1節 宙づりの権力分立論──ジョン・アダムズ『政府に関する考察』
第2節 ヴァージニア邦憲法における権力分立の成文化
第3節 権力分立と帝国的統治構造──修正参議会の登場
第8章 マディソンの換骨奪胎──『フェデラリスト』のレトリックとリアリティ
第1節 いかに邦を抑制するか──マディソンにおける権力分立論の消極的地位
第2節 『フェデラリスト』における非権力分立論的権力分立論の価値
第3節 Adieu,Montesquieu──マディソン、モンテスキューと訣別する
第9章 ハミルトンの一点突破──『フェデラリスト』のレトリックとリアリティ
第1節 ハミルトンと執行権の単一性
第2節 執行参議会をめぐる葛藤
第3節 「立法審査制」から司法審査制への横滑り
終 章
参照文献
あとがき
事項索引
人名索引