福澤諭吉の思想的格闘
生と死を超えて
著:松沢 弘陽
紙版
内容紹介
西洋との接触、国民国家の構想と文明の始造、天賦人権論争、そして自伝の刊行——。一身にして二生を経る激動の時代を生きた福澤諭吉は、生涯を通じて何を目指して闘い、後世に何を託したのか。その思想的展開を綿密に辿り、畢生の願いを浮かび上がらせた、日本政治思想史の泰斗による待望の福澤論集、ついに刊行。
目次
凡 例
第Ⅰ部 福澤諭吉の西洋経験
第一章 福澤諭吉とヴィクトリア中期Radicalism——『福翁自伝』を手がかりに
第二章 福澤諭吉ロンドンで英国「社中」の「建言書」を読む——「福田作太郎筆記・欧羅巴行御用留」文書の校注と検討
第Ⅱ部 国民国家形成の構想
第三章 社会契約から文明史へ——福澤諭吉の初期国民国家形成構想・試論
第四章 公議輿論と討論のあいだ——福澤諭吉の初期議会政観
第五章 『文明論之概略』成立事情
第六章 『民情一新』覚え書——官民調和論との関係において
第Ⅲ部 天賦人権論と福澤諭吉
第七章 天賦人権論争覚え書
第八章 『天賦人権論』の世界
第Ⅳ部 『福翁自伝』を読む
第九章 自伝の「始造」——独立という物語
第一〇章 『福翁自伝』を読みなおす——私にとっての福澤諭吉
第一一章 『福翁自伝』校注をめぐって
第Ⅴ部 福澤諭吉の読まれ方
第一二章 福澤諭吉を生きる
第一三章 福澤諭吉における方法の問題——『福沢諭吉の哲学他六篇』解説
第一四章 丸山眞男における近・現代批判と伝統の問題
初出一覧
あとがき
人名索引