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紀元2600年の満州リーグ

帝国日本とプロ野球

著:坂本 邦夫

紙版

内容紹介

東京オリンピックが幻に終わった1940年。神武天皇即位から2600年とするこの年、日本統治下の満州で、日本プロ野球チームによるリーグ戦が開催された。しかし、これを契機にプロ野球は国策と戦争に翻弄されていく——。学生野球が盛んだった1920年に「職業野球」として始まり、蔑まれつつ、苦難の道を歩んだ日本プロ野球の埋もれた歴史を描き出す。

目次

プロローグ──感謝状と名刺


第1章 「武士道」をまとった「べーすぼーる」
 1 アイアンコーノと呼ばれた男
 2 「べーすぼーる」から武士道野球への変容
 3 野球害毒論争
 4 早大講師を辞す

第2章 日本初のプロ野球チームの主力はなぜ朝鮮人選手だったのか
 1 日本運動協会の誕生
 2 「満鮮遠征」と孫孝俊の加入
 3 運命を変えた関東大震災
 4 再生
 5 斜陽
 6 解散

第3章 満州の野球人になった孫孝俊
 1 孫孝俊のマキノ映画時代
 2 満州野球史
 3 孫孝俊の奉天・新京時代

第4章  河野安通志、苦難の再挑戦
 1 「野球狂時代」が生んだ「統制令」と「プロ野球」
 2 草刈り場になった満州野球界
 3 名古屋軍総監督として手掛けた先駆的取り組み
 4 片翼の鷲
 5 日中戦争下のプロ野球

第5章 「満州リーグ」──紀元二六〇〇年のペルソナ
 1 満州日日新聞からの手紙
 2 機構改革と渡満の準備
 3 異郷の白球譜

第6章 総力戦体制への悲しき擬装
 1 新体制下のプロ野球
 2 第二回満州リーグの中止
 3 日米開戦
 4 レジスタンスなき擬装

第7章 その後の孫孝俊と満州野球界
 1 孫孝俊が作った野球チーム
 2 甘粕の満映野球部
 3 満州野球界の終焉

エピローグ──喝采なき栄光
 1 見果てぬ夢
 2 野球で民族崛起を願った男


あとがき


満州リーグの成績/一九四〇年夏季通算の成績/満州リーグ全七二試合と帯同試合九試合

著者略歴

著:坂本 邦夫
坂本邦夫(さかもと くにお)
1958年、埼玉県生まれ。明治大学商学部卒。業界紙、情報誌、編集プロダクションを経てフリーライター。ビジネス書を中心に幅広いジャンルで取材、執筆。日本のプロ野球や米国大リーグに関する書籍の製作にも多数かかわる。著書に『プロ野球データ事典』(PHP研究所、2001年)などがある。

ISBN:9784000614160
出版社:岩波書店
判型:4-6
ページ数:392ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2020年07月
発売日:2020年07月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:SF