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人工知能に未来を託せますか?

誕生と変遷から考える

著:松田 雄馬

紙版

内容紹介

未来は人工知能(AI)にお任せ? 今の情報社会への違和感を訴える著者は、人間の知能の研究者、新技術を開発する技術者、技術や思想を通じて世の中を変革しようとする事業家の顔をもつ。そもそもAIの誕生・開発に携わった人たちは、どんな思いを込めたのか? AIの課題や問題点、可能性を考え、未来の社会のありようを論じる。

目次

はじめに


序章 何かがおかしい 研究者・技術者としての違和感
 人間とAI/社会の画一化/巨人の肩の上に立つ/AIとネットワーク社会/アメリカン・フロンティア精神/世界と日本/社会と創造性

1 人工知能の誕生——文明と共に生まれたその萌芽
 自動計算/思考する機械/論理的推論の機械化/人工知能/人工知能とニューラルネットワーク/深層学習/幻滅期/知能の正体/騙される性質

2 人工知能と社会の進化——情報通信技術と共に変遷する社会
 情報通信が変えた社会/新しい価値の発見/新しい技術を有効に機能させるための制度設計/フィルターバブル/ネットワーク外部性/日本の産業政策/信用経済/利他行動と共感/共感と心

3 人工知能と場——統計とネットワークが奪ったものと未来への希望
 ネットワークと統計/場と生命/システムと場

4 心の解読と、身体性に基づく情報科学の未来
 電脳化/身体性/身体能力の拡張/記憶と感情/「脳を真似る試み」からの学び/身体に学ぶ生命システムの設計思想

5 人工知能に未来を託せますか?
 何かがおかしい現代科学/驚くほど狭い世界/これからの学問のあり方/シンギュラリティという幻想/世界から見た日本の可能性/科学技術の進歩と共に


おわりに

著者略歴

著:松田 雄馬
松田雄馬(まつだ ゆうま)
1982年生まれ、大阪出身。博士(工学)。京都大学大学院修了。NEC中央研究所員としてのMITメディアラボ・ハチソン香港・東京大学との共同研究を経て、東北大学とのブレインウェア(脳型コンピュータ)に関する共同研究プロジェクトにおける基礎研究・社会実装で博士号取得。独立して合同会社アイキュベータを設立、現在、共同代表。一橋大学大学院非常勤講師。AI/IoTを中心に研究開発と情報発信を行う。情報処理学会優秀論文賞、最優秀プレゼンテーション賞受賞。著書に『人工知能の哲学――生命から紐解く知能の謎』(東海大学出版部)、『人工知能はなぜ椅子に座れないのか――情報化社会における「知」と「生命」』(新潮社)、共著書に『Python 実践データ分析100本ノック』(秀和システム)がある。

ISBN:9784000614146
出版社:岩波書店
判型:4-6
ページ数:238ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2020年06月
発売日:2020年06月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:UD