序 章 ポスト・スポーツとは何か?
1 身体(エンハンスメント)の強化とスポーツの窮状
2 ポスト・スポーツへの移行──規律から制御へ
3 データ革命──「偶然性」の縮小と「予測」の競争
4 主体化を遂げるデータ/データが作る身体フォーム
5 前‐個体性のスポーツ
6 サイバスロンとeスポーツの登場
7 「ポスト・スポーツ」論
8 ポスト・スポーツの系譜学/社会を編みなおすエージェンシー
9 「ポスト」という接頭辞について
第I部 競技者とは誰か
第1章 ポスト・スポーツの時代──ビッグデータと変容するスポーツ競技
1 ビッグデータと新しいスポーツ・パラダイム
2 野球とデータ革命
3 リアルタイム分析とデータ化される身体
4 新しいスポーツ資本主義──表象からビッグデータへ
5 主体はどこへ?
第2章 前‐個体性のスポーツ──制御される偶発性とテクノロジーに繋がった「身体図式」
1 「ポスト・スポーツ」への移行
2 制御される「偶然性」と「再現性」のテクノロジー
3 テクノロジーに繋がれる「身体図式」
4 前‐個体性のスポーツ──サイバスロンとeスポーツの登場
第II部 転回するハビトゥス
第3章 ハビトゥスなきハビトゥス──ポスト・スポーツの身体と現代におけるコミュニケーション
1 知性/身体の分断と新たな融合
2 「ゴールデン・ゲットー」──スポーツ社会学者と黒人アスリート
3 社会的分業──身体の抑圧とスポーツの文明化
4 ハビトゥスなきハビトゥス
5 「コミュニケーション能力」とは何か?
6 ポスト・スポーツ時代の身体──規律モデルから制御モデルへ
7 身体のゆくえ
第4章 視覚のハビトゥス──「黒人の身体能力神話」と「身体論ナショナリズム」
1 非政治化されたスポーツ観戦
2 現代の神話──黒人の身体能力
3 可視性の場と「視覚のハビトゥス」
4 非政治化された美学──リーフェンシュタールの新しい視覚
5 身体表象と視覚のナショナリズム
6 情動を制御する視覚のハビトゥス
第III部 アスリートたちの闘い
第5章 批判的ポスト・スポーツの系譜──抵抗するアスリートと「ソーシャル」の可能性
1 批判的ポスト・スポーツ──「ソーシャルなアスリート」の登場
2 ジョン・カーロス、再び
3 「黒い拳」と表彰台のアプロプリエーション
4 トラテロルコの虐殺と反オリンピック
5 「出来事」がもたらす「別の可能性」
6 多様性を内包する「ソーシャルなアスリート」
第6章 記憶と身体の「ポスト・コロニアル」──モハメド・アリ、C・L・R・ジェームズ、黒い大西洋
1 震える身体
2 flash b(l)ack memory──「危機」としての身体
3 動きのなかの「中断」、変容するリズム
4 スポーツにおける「変容の政治学」
5 C・L・R・ジェームズ──クリケットと美学と政治
6 スポーツの「黒い大西洋」
7 支配のただなかで支配に抗する──ポスト・スポーツの政治学
第IV部 スポーツの未来
第7章 「横乗り文化」と変容するライフスタイル──スノーボードの批判的滑走身体(クリティカル・ライディング)
1 「横乗り文化」と新しいライフスタイルの出現
2 「横乗り文化」の身体と「クリティカル・ライディング」
3 スノーボード文化の発生──新しいレジャームーヴメントと抵抗文化
4 「抵抗」と「セルアウト」
5 グリーン・ラボ、DIY、オルタナティヴなライフスタイル
あとがき
参考文献