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オーラル・ヒストリーに何ができるか

作り方から使い方まで

著:御厨 貴

紙版

内容紹介

政治学にオーラル・ヒストリーの手法が導入されて25年。以来、さまざまな研究成果が生み出され、成熟の時を迎えつつある。数々のオーラル・ヒストリーの研究プロジェクトに携わり、実践してきた研究者たちが集い、自らの体験にもとづいた方法論や活用法、今後の課題などを縦横無尽に論じる。これからオーラル・ヒストリーを始める人たちにとっても最良のテキストとして使える本。

目次

はしがき(御厨 貴)
「オーラル・ヒストリー」を「作る」ことと「使う」ことの連鎖構造――「三題噺」風に……………御厨 貴

Ⅰ 理論的考察
 オーラル・ヒストリーは何を目指すのか……………飯尾 潤
 オーラル・ヒストリーからの/への逃走……………金井利之
 オーラル・ヒストリーの方法論――仮説検証から仮説発見へ……………清水唯一朗

Ⅱ 応用的考察
 おしまいから読んでみよう――さかのぼりオーラル・ヒストリー……………牧原 出
 摂取世代の見たオーラル・ヒストリー 東京学派四半世紀のヒストリー
  ――デモクラシーと現代史の好循環を目指して……………村井良太
 質問づくり十年……………手塚洋輔
 オーラル・ヒストリーの世界標準とこれから
  ――ブラック・オーラルから脱するために……………佐藤 信
 オーラル・ヒストリーにおける「残し方」
  ――課題と工夫の「共有」に向けて……………若林 悠

Ⅲ 事例的考察
 民主党「保守派」の形成
  ――『民主党を見つめ直す 元官房長官・藤村修回想録』から見えて来るもの……………竹中治堅
 民主党政権の脱原発を巡る政策過程
  ――オーラル・ヒストリーと自叙伝から検証する……………高橋 洋
 実践的オーラル・ヒストリー方法論と一九九〇年代日本政治における保守
  ――野中広務オーラル・ヒストリーを中心に……………佐々木雄一
 「行革官僚」の成功と挫折……………砂原庸介
 文部官僚オーラル・ヒストリー……………本田哲也

Ⅳ 位置的考察
 聞き書きの系譜……………国分航士
 文化人のオーラル・ヒストリーをめぐって……………苅部 直
 植民地銀行のインスティテューショナル・メモリー――朝鮮銀行の戦前と戦後……………前田亮介

著者略歴

著:御厨 貴
御厨 貴(みくりや たかし)
1951年生.東京大学・東京都立大学名誉教授.公益財団法人サントリー文化財団理事,サントリーホールディングス株式会社取締役.専門は,近現代日本政治史,オーラル・ヒストリー.『明治国家形成と地方経営――1881‒1890年』(東京大学出版会),『オーラル・ヒストリー――現代史のための口述記録』(中公新書),『オーラル・ヒストリー入門』(編,岩波書店),『「戦後」が終わり、「災後」が始まる。』(千倉書房),『平成風雲録――政治学者の時間旅行』(文藝春秋)など著作多数.

ISBN:9784000613279
出版社:岩波書店
判型:A5
ページ数:318ページ
定価:3400円(本体)
発行年月日:2019年03月
発売日:2019年03月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHA