出版社を探す

リーディングス 戦後日本の思想水脈 2

科学技術をめぐる抗争

著:金森 修
著:塚原 東吾

紙版

内容紹介

圧倒的な力で人間の生を変革してきた科学技術を、戦後日本社会はどのように受け止めてきたのか。原爆の衝撃から歩みをはじめた科学と平和・進歩との共存関係が崩壊していく過程をたどりながら、〈3・11〉後の科学思想の行く末を模索する。

目次

 刊行にあたって
 凡例

Ⅰ 敗戦と科学技術――原爆の平和利用をめぐって
 日本再建と科学(抄)(一九四六年) ………仁科芳雄
 この子を残して(抄)(一九四八年) ………永井 隆
 現代科学・技術の人類史的意義(抄)(一九六三年) ………坂田昌一
 反核運動と科学思想――核をのりこえる科学への模索(一九八二年) ………菅 孝行
 《コラム1》科学者の反省――小倉金之助「われ科学者たるを恥ず」

Ⅱ 公害問題のインパクト――われわれは何を学んだのだろう
 公害の政治学――水俣病を追って(抄)(一九六八年) ………宇井 純
 原子力平和利用は故意の犯罪(一九七七年) ………槌田 敦
 維持可能な社会と自治体――「公害」から「地球環境」へ(抄)(二〇〇五年) ………宮本憲一
 《コラム2》反科学の思想――石牟礼道子の「文体」の二重性

Ⅲ 問い直される科学 ―六八年のインパクト
 人造人間(抄)(一九七五年) ………坂本賢三
 わたしにとって科学とは何か(抄)(一九七九年) ………柴谷篤弘
 問い直される科学の意味――体制化された科学とその変革(一九六九年) ………廣重 徹
 科学のパラダイムは変わった――戦後民主主義vs科学批判(一九八〇年) ………中山 茂
 テクノトピアをこえて――科学技術立国批判(抄)(一九八二年) ………吉岡 斉

Ⅳ 自然と社会の新たな関係――社会主義を超えたオルターナティブ
 コンビナートの労働と社会(抄)(一九七四年) ………中岡哲郎
 複雑系の科学と現実(抄)(一九九六年) ………雨宮民雄
 文明の矛盾(抄)(一九九四年) ………村上陽一郎
 「気」――その思考法と自然像(抄)(二〇〇二年) ………山田慶兒

Ⅴ 神戸から三・一一へ
 原発震災――破滅を避けるために(一九九七年) ………石橋克彦
 爛熟する生権力社会――「臓器移植法」改定の歴史的意味(抄)(二〇一〇年) ………小松美彦
 「生きもの」だと宣言すること――今日的サイボーグ状況をめぐって(二〇一四年) ………高橋さきの
 科学的助言のパラダイム・シフト(二〇一四年)――責任あるイノベーション、ポスト・ノーマルサイエンス、エコシステム ………平川秀幸
 〈ポスト三・一一ワールド〉のためのあとがき(抄)(二〇一四年) ………金森 修
 《コラム3》鉄腕アトムと高木仁三郎から思い出すべきこと――佐藤文隆のエッセイに寄せて

 〈解説〉 科学技術の七〇年――三・一一後に生きるために ………塚原東吾

 採録作品一覧
 著者略歴

著者略歴

著:金森 修
金森 修(かなもり おさむ)
1954年生.東京大学大学院教育学研究科教授.フランス科学認識論,科学文化論.2016年5月歿.
著:塚原 東吾
塚原東吾(つかはら とうご)
1961年生.神戸大学大学院国際文化学研究科教授.科学史・科学哲学.

ISBN:9784000270342
出版社:岩波書店
判型:A5
ページ数:350ページ
定価:4800円(本体)
発行年月日:2016年07月
発売日:2016年07月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB