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近代「国文学」の肖像 3

佐佐木信綱 本文の構築

著:鈴木 健一

紙版

内容紹介

本文とはどのようにしてつくられるべきものなのか。全国各地の文献調査から、数多くの古典作品の本文を発見して、『校本万葉集』をはじめ校本・校訂本の作成に情熱を注いだ佐佐木信綱。自らも歌人としての創作活動を行い、韻文の伝統的価値の再編、和歌史の構築につとめた。その生涯と学問的業績を時代のなかに描き出す。

目次

略 伝
 一 はじめに
 二 略歴
 三 歌人としての活動
 四 国文学者としての活動

第一章 文献学への視点
 一 資料の発見
  1 『万葉集』
  2 歌学
  3 歌集
  4 歌謡
  5 日記
 二 本文の提供及び校本の作成
  1 『日本歌学全書』
  2 『校本万葉集』
  3 『日本歌学大系』
 三 文献学に対する信綱の考え
  1 民族のためにということ
  2 文献学の重視とバランス感覚 

第二章 和歌史の構築
 一 文学史という概念の生成
  1 佐佐木信綱の代表的著作
  2 信綱以前の文学史
  3 西洋における文学史
 二 具体的な論説を通して
  1 作歌経験を踏まえつつ、通史的に捉え、本質的な表現論をする
  2 和歌と時勢の関わり
  3 今後、和歌はどう詠まれるべきか?
  4 恋歌についての意見

第三章 万葉学への情熱
 一 「校本万葉集について」
 二 「英訳万葉集に就いて」
 三 「万葉学の綜合集成を喜ぶ」
 四 「万葉集と植物」

付章 佐佐木家の歌人たち

まとめ

 主要参考文献
 略年譜
 図版出典一覧
 後 記

著者略歴

著:鈴木 健一
鈴木健一(すずき けんいち)
1960年生まれ。
1988年東京大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。
現在―学習院大学文学部教授。
著書―『近世堂上歌壇の研究』(汲古書院、1996年、増訂版2009年)、『江戸詩歌の空間』(森話社、1998年)、『江戸詩歌史の構想』(岩波書店、2004年)、『古典詩歌入門』(岩波テキストブックス、2007年)、『江戸古典学の論』(汲古書院、2011年)、『古典注釈入門 歴史と技法』(岩波現代全書、2014年)、『天皇と和歌 国見と儀礼の一五〇〇年』(講談社選書メチエ、2017年)、『不忍池ものがたり――江戸から東京へ』(岩波書店、
2018年)ほか

ISBN:9784000269780
出版社:岩波書店
判型:A5
ページ数:162ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2021年02月
発売日:2021年02月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ