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創造された「故郷」

ケーニヒスベルクからカリーニングラードへ

著:ユーリー・コスチャショーフ
訳:橋本 伸也
訳:立石 洋子

紙版

内容紹介

第二次世界大戦の結果、東プロイセンとケーニヒスベルクはソ連に移譲され、カリーニングラードと改名された。ソ連は戦利品としての空間をどのように「わが国の領土」として創造したのか。その中で、普通の人びとの経験とはどのようなものだったのか。戦争で住民が総入れ替えとなった地域の稀有な歴史を、政策者と住民のダイナミズムを通して描く。ロシアを渉猟して集めた資料と、貴重なオーラル・ヒストリーの記録を駆使した労作。

目次

はじめに
 現在のヨーロッパ地図/地名対照表/現在のカリーニングラード州/ソ連構成共和国


第Ⅰ部 ケーニヒスベルクの時代
 第1章 ピョートル大帝からロシア革命まで
 第2章 ロシア革命から第二次世界大戦まで

第Ⅱ部 カリーニングラード州の成立
 第3章 第二種立入禁止地区
 第4章 残留ドイツ人
 第5章 ソヴィエトの移住者たち――カリーニングラード州への大規模移住
 第6章 スターリンのカリーニングラード州建設計画

第Ⅲ部 スターリニズム末期のカリーニングラード
 第7章 新たな都市 新たな生活――移住者たちの日常生活
 第8章 戦後カリーニングラード州農村の日常生活
 第9章 ドイツ人のドイツへの強制移住
 第10章 戦後スターリン期における「プロイセン的精神の追放」のための闘い

第Ⅳ部 ポスト・スターリン期のカリーニングラード
 第11章 ポスト・スターリン期の記憶政治
 第12章 ペレストロイカとその後――カリーニングラードの開放
 

結語 遺産はいかに扱われたのか――結論に代えて


訳者あとがき


人名・事項索引
地名索引

著者略歴

著:ユーリー・コスチャショーフ
コスチャショーフ,ユーリー(Костяшов, Юрий)
1955年生.イマヌエル・カント記念バルト連邦大学(ロシア)教授.専門:カリーニングラード史,南スラヴ諸民族史.主要著作(いずれもロシア語,原題は本書「訳者あとがき」参照):『戦後農村の日常――カリーニングラード州の移住民コルホーズの歴史より 1946-1953年』(2015年),『カリーニングラード州秘史――1945-1956年』(2009年).
訳:橋本 伸也
橋本伸也(はしもと のぶや)
1959年生.関西学院大学文学部教授.専門:ロシア近現代史,バルト地域研究.主要著作:『紛争化させられる過去――アジアとヨーロッパにおける歴史の政治化』(編著,岩波書店,2018年),『記憶の政治――ヨーロッパの歴史認識紛争』(岩波書店,2016年)ほか.
訳:立石 洋子
立石洋子(たていし ようこ)
1980年生.成蹊大学法学部助教.専門:ロシア・ソ連史.主要著作:「「雪どけ」とソ連の歴史学――1953-56年の『歴史の諸問題』誌の活動」(『成蹊法学』87号,2017年12月),『国民統合と歴史学――スターリン期ソ連における『国民史』論争』(学術出版会,2011年)ほか.

ISBN:9784000237383
出版社:岩波書店
判型:4-6
ページ数:272ページ
定価:3600円(本体)
発行年月日:2019年02月
発売日:2019年02月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1DTA