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ルポ“正社員”の若者たち

就職氷河期世代を追う

著:小林 美希

紙版

目次

 はじめに

第1章 “正社員”とは名ばかりの実態
 1 やりがいを求めて
  “県職”からの転職
  右肩上がりの派遣業界
  「23歳~,年収360万円以上」
  過密労働とやりがいのジレンマ
  「体を壊すまで働いても……」
 2 24時間営業の管理
  入社3カ月でグループ長
  管理職の責任
  見渡すと同期は誰もいない
 3 就職をビジネスにするということ
  就職支援
  学生のためではなく企業のため
  高い給与と,その代償
 4 伸びない賃金
  安心できる生活を求めて
  高い評価を得て
  仕事の魅力
 5 “無法地帯”の企業からの脱出
  厳しい就職活動を経た先
  仕事を続けていくことができない
  同世代の年収格差

第2章 若者たちが働く様々な場所をみつめて
 1 SEはどのような働き方をしているのか
  SE特有の苦労
  行き過ぎた成果主義,やりがいのない仕事
 2 企業合併以降の金融業界
  “多様な働き方”
  一般職の今
  モチベーションを低下させる日本企業
  証券業界
  消費者金融
 3 コンビニエンスストアの“名ばかり店長”
  長い拘束時間
 4 高齢化社会を支える人たちの現実――介護業界
  「自分の目指す道は,これだ」
  大規模リストラ,そして過酷なノルマ
  負担より大きなやりがい
  介護現場の激変――その背景
  紙切れ一枚
  特別養護老人ホーム
  「もう,もたない」
  労働の対価が認められていない世界
 5 規制緩和の煽りを受けて――運転手
  タクシー運転手
  ハイヤー運転手
 6 命を預けられない働き方――看護師
  高い離職率
  蔓延する偽装請負
  需要は増えるも,辞めていく
 7 先生と呼ばれてもアルバイト――歯科医
  常勤を雇う余裕がない

第3章 模索する若者たち
 1 中国に飛び出す若者たち
  日本の職場を捨てチャイナ・ドリームを目指す
  広州で社長代理になった
  現地採用の限界
  優秀な中国人が辞めていく
  職場での歪み
  現地で人を育てる企業
  労働者のキャリアパス
 2 地方で働くという選択――富山県の試み
  新卒フリーター比率が最も低い県
  学校で職業意識を育てる教育
  暮らしやすさ,働きやすさをアピール
  若者たちを地域がサポートする

第4章 若者の悲惨な未来
  働く女性の現実を直視する
  妊娠解雇――求められるワーク・ライフ・バランス
  職場の無理解が生んだ悲劇
  利用者と労働者のどちらにも厳しい福祉の現実
  税金のゆくえ――ジョブカフェの実態
  HIKSカップルの生活不安
  労働者・経営者・労働組合に求められること
  働きがいのある社会を

 あとがき

ISBN:9784000236775
出版社:岩波書店
判型:4-6
ページ数:208ページ
定価:1700円(本体)
発行年月日:2008年06月
発売日:2008年06月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBF