序
Ⅰ 技術 ベンヤミンのメディア理論の再構築
第1章 言語的メディアと画像的メディア
1 二つのメディア系列
2 アレゴリーと時間性の空間化
方法としてのアレゴリー的思考/画像性と神学性/時間性の空間化としての「自然史」/アレゴリカーのまなざし
3 言語的メディアの展開——ベンヤミンの言語論
魔術的段階としての「名の言語」/言語の堕罪としての「文字/書物」/「文字」から「像」へ
4 画像的メディアの展開——「芸術作品」の世俗化とメディア系列の接合
魔術的段階とオーラ/「芸術作品」の展開と世俗化/メディア段階としての「新聞」と「映画」、そして「ハイパーテクスト」
第2章 メディアの転換と技術性・身体性・魔術性
1 危機の時代のメディア論
2 メディア理論における座標軸
3 模倣における魔術性
4 文字というインターフェイス
記号的メディアに残存する身体性
5 グーテンベルクの銀河系の終焉——ハイパーテクストにおける魔術性
技術メディアの逆説——身体性の喪失と新たな身体性の獲得/技術的身体性とヴァーチャル・リアリティ
Ⅱ 身体 触覚の思想史
第3章 ベンヤミンとマクルーハンの邂逅——思想史のなかの〈視覚—触覚〉
1 奇妙な対応関係
2 カメラ・オブスクラの思考モデルとしてのモリヌークス問題
ジョン・ロック/ライプニッツ/バークリ/コンディヤックとディドロ
3 ヘルダーの触覚優位
4 芸術学のコンテクストにおける〈視覚—触覚〉
フィードラー/ヒルデブラント/リーグル
5 マクルーハンの「聴覚=触覚複合」
6 ベンヤミン——「衰退の時代」のメディアと知覚
リーグルと知覚の転換/ベンヤミンの視覚—触覚/「触覚」の両極的特質
第4章 集団的身体と技術——身体性の場としての人間学的唯物論
1 シュルレアリスム論と「人間学的唯物論」
2 「現代神話」としての夢の領域
3 都市の形象へのまなざしと認識の転換
4 「人間学的唯物論」——技術的身体と政治性
5 集団的身体と技術
Ⅲ 神学 メディアとメシアニズム
第5章 メシアニズムとモンタージュ
1 せむしの小人としての神学
2 メディアの転換と「世俗化」
3 アレゴリーの救済の場としての「モンタージュ」
4 「引用」の両極性
5 「中断」のための技術
6 「文書化」とメディアの融合
第6章 歴史的時間とメシア的時間
1 時間の停止のイメージ
2 静止状態にある弁証法
3 特別な日々、特別な場所
4 想起(アインゲデンケン)
5 歴史概念の神学性
6 メシア的時間と歴史的時間——アガンベンの『残りの時』
7 「救済」における時間概念の二重性
終 章 映画を見る歴史の天使
1 姿を隠した神学
2 ベンヤミンの「神学」?
3 メシアニズムとしての「終末論」
4 二つの異質な領域
5 カール・バルトとベンヤミン
6 「歴史」の世界のなかでの「世俗化」
7 二重構造の神学的思考
8 メディアと神学——二重構造の「救済」
註
あとがき
参照文献一覧
索 引