序 章 エゴ・ドキュメント研究の射程 …………… 長谷川貴彦
はじめに
一 用語法—— 多様なる系譜
二 個人・自己・主観性
三 アーカイヴ
四 本書の構成
おわりに
第1章 浮動するエゴ、もう一つのエゴ、創られるエゴ——魔女ベレッツァ・オルシーニの審問記録と手記(一五二八年)より
…………… 大黒俊二
はじめに—— ドキュメントはエゴを表現するか?
一 「魔女」ベレッツァ・オルシーニ—— 審問と前歴
二 浮動するエゴ—— 審問記録
三 もう一つのエゴ——「告白」
四 創られるエゴ—— 継目隠しとテクスト改竄
おわりに—— 多声(ポリフォニー)のエゴ・ドキュメント
第2章 エゴ・ドキュメントの「厚い」読解——ラテンアメリカ史研究の経験から
…………… 安村直己
はじめに
一 スペイン帝国の形成、エゴ・ドキュメント、歴史叙述
二 歴史研究の制度化とエゴ・ドキュメント
三 現代歴史学におけるエゴ・ドキュメントの諸相
四 エゴ・ドキュメントとしての訴訟文書
おわりに
第3章 日本近世における自己語りの諸相——「我」と天道の間で …………… 若尾政希
はじめに
一 『陽広公偉訓』を読み解く
二 『河内屋可正旧記』を読み解く
三 『本佐録』・『東照宮御遺訓』を読み解く
おわりに
第4章 オーラルとエクリの間あわいからの創造——啓蒙期ロレーヌの作家グラフィニ夫人の場合
…………… 長谷川まゆ帆
一 グラフィニ夫人『ペルー人女性の手紙』
二 物語の枠組み
三 仏語版『インカ皇統記』との関わり
四 改訂版の出版—— ねらいとその中身
おわりに
第5章 法律家の手紙—— 一九世紀初頭のイングランドにおける日常的な法の利用
…………… キャロライン・スティードマン/梅垣千尋、長谷川貴彦 訳
一 第一の物語—— 借金の催促
二 第二の物語—— 喧嘩による暴力への償い
三 第三の物語—— 濡れ衣への抵抗
四 第四の物語—— レイプ被害への対処
五 訴訟代理人についての小話
六 訴訟代理人をとりまく民衆世界
七 法律家の手紙を読む—— 脅迫状との関係
第6章 遊女の「日記」を読む——嘉永二年梅本屋佐吉抱え遊女付け火一件をめぐって
…………… 横山百合子
はじめに
一 梅本屋佐吉抱え遊女付け火一件とその関係史料
二 「調書」・「日記写」・「日記」
三 なぜ遊女は「日記」を書くのか
おわりに—— 遊女の集団と都市社会
第7章 感情と情報リテラシーが交差するところ——噂、ニュース、エゴ・ドキュメント
…………… 小野寺拓也
はじめに
一 国防軍民情報告書に見られる「噂」
二 『部隊のためのニュース』紙から
三 野戦郵便で交わされる情報
おわりに
第8章 エゴ・ドキュメントをめぐる後期ソ連の歴史実践 …………… 松井康浩
一 個人由来の文書—— ロシア語のエゴ・ドキュメント
二 「普通の人々」が書いたエゴ・ドキュメントへの関心—— 後期ソ連での動き
三 「大祖国戦争」を伝えるエゴ・ドキュメント—— ウラジーミル州での歴史実践
四 現代ロシアにおける歴史実践
編者あとがき