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岩波講座 世界歴史 第18巻

アフリカ諸地域 ~20世紀

他編:荒川 正晴
他編:大黒 俊二
他編:小川 幸司

紙版

内容紹介

現生人類誕生の地であるアフリカは、現在に至るまでの歴史をどのように歩んできたのだろうか。「歴史なき大陸」として世界史のなかで存在を否定されてきたアフリカ諸地域の豊かな歴史を見つめ、私たちの世界史像を根本的に問い直す、『岩波講座 世界歴史』初となるアフリカ巻の試み。

目次

展望|Perspective

 世界史の中のアフリカ史……………永原陽子
  ――アフリカ史研究の歩みとアフリカを見る目
  一、人類史の中のアフリカ
  二、世界史の中のアフリカ
  三、「アフリカ」と「アフリカ人」
  四、アフリカ史の時期区分
  五、近代日本とアフリカ
  六、グローバル・ヒストリーの中のアフリカ
  七、「ヘレロ」の歴史の例から

 アフリカ史の挑戦――アフリカ社会の歴史を捉える立場と方法……………松田素二
  一、アフリカ史という知的格闘
  二、アフリカ史の基盤としての民族・氏族・親族
  三、アフリカ史の方法としてのオラリティ
  四、『ユネスコアフリカの歴史』の実験
  五、アフリカ史という知的挑戦


問題群|Inquiry

 狩猟採集民の世界……………寺嶋秀明 
  はじめに
  一、アフリカの自然と狩猟採集民――多様性の世界
  二、ピグミーと農耕民――共存世界の歴史
  三、エフェ・ピグミーと農耕民レッセ――しなやかな共生

 トランスサハラ交易と西アフリカ諸国家……………坂井信三
  一、気候変動と生態学的条件
  二、地域間交易の諸条件
  三、交易と国家
  四、イスラーム

 沿岸部スワヒリ世界の形成と展開……………鈴木英明
  はじめに――沿岸部スワヒリ世界とは何か
  一、沿岸部スワヒリ世界の形成
  二、一九世紀の開放
  三、拡大する外部
  おわりに――ノードとしての沿岸部スワヒリ世界

 植民地主義の展開――入植植民地主義と南部アフリカの構造化……………網中昭世 
  はじめに――入植植民地主義
  一、植民地支配の確立
  二、南部アフリカの構造化
  三、南アフリカ金鉱業と移民労働システム
  四、移民労働システムがもたらした社会変容
  おわりに

 中部アフリカ――ポストコロニアル国家の生成史……………武内進一
  一、ポストコロニアル国家
  二、自然環境と植民地化以前の社会
  三、植民地統治と社会変容
  四、冷戦下のポストコロニアル国家
  五、冷戦終結とポストコロニアル国家の変容
  六、国家像の変遷


焦点|Focus

 歴史言語学からみるバントゥ系民族の移動……………米田信子
  はじめに
  一、バントゥ諸語と歴史言語学
  二、バントゥ諸語話者の移動
  三、他言語との接触
  四、バントゥ諸語研究と歴史言語学の限界と可能性

 アラビア語史料から見るアフリカ……………苅谷康太
  一、外部史料
  二、内部史料

 女性・ジェンダーからみるアフリカ史……………杉山祐子
  はじめに
  一、初期人類、狩猟採集社会のジェンダー
  二、王国におけるジェンダーと階層化
  三、植民地時代
  四、植民地後期から独立以降における女性とジェンダー
  おわりに――現代的な課題にむけて

 植民地経済の形成とアフリカ社会…………正木響 
 ――仏領西アフリカ・セネガルを中心に
  はじめに
  一、奴隷貿易から領土獲得へ
  二、セネガル植民地の特異性
  三、支配地の拡大と植民地経済の形成
  四、徴税制度と貨幣
  おわりに

 パン・アフリカニズムとアフリカ――解放の思想と運動…………荒木圭子
  はじめに
  一、パン・アフリカニズムの発展
  二、第一次世界大戦と自決権の要求
  三、南アフリカにおけるパン・アフリカニズム
  おわりに


    コラム|Column

     文書のなかの口頭伝承……………中尾世治
     現代によみがえる南アフリカのコイサン……………佐藤千鶴子
     一皿の料理が問いかけるもの
      ――アフリカの主食用作物と歴史研究……………石川博樹 
     アクスム王国のオベリスク
      ――イタリアによる略奪と返還……………眞城百華 
     原爆と反核
      ――二〇世紀中葉のアフリカと日本の共通体験……………溝辺泰雄

ISBN:9784000114288
出版社:岩波書店
判型:A5
ページ数:316ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2022年10月
発売日:2022年11月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHB