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岩波講座 世界歴史 第15巻

主権国家と革命 15~18世紀

他編:荒川 正晴
他編:大黒 俊二
他編:小川 幸司

紙版

内容紹介

中世と近代のはざまにある近世ヨーロッパは、複数の時間の流れる、地域差を抱えた空間だった。ルネサンスからフランス革命まで約350年にわたる西欧と大西洋の歴史を概観し、政治・経済・宗教・学問において起きた諸革命の実相、戦争や商業活動を通して生じた主権国家・国際関係の形成過程を、変化と連続を共に跡づけつつ描く。

目次

展望|Perspective
 近世/初期近代のヨーロッパ――ルネサンスからフランス革命まで………坂下 史
  はじめに
  一、ヨーロッパ史における近世と初期近代
  二、基本条件と近世ヨーロッパの経済
  三、近世のはじまり
  四、拡大するヨーロッパ
  五、ヨーロッパの主権国家体制
  六、一八世紀のヨーロッパ世界
  おわりに

問題群|Inquiry
 宗教改革とカトリック改革………踊 共二
  はじめに――大文字の宗教改革
  一、ルターとドイツの宗教改革
  二、ツヴィングリと宗教改革の複雑化
  三、シュマルカルデン戦争からアウクスブルク宗教平和令まで
  四、カルヴァンと宗教改革のヨーロッパ的拡大
  五、イングランドとスコットランドの宗教改革
  六、カトリック改革
  おわりに――宗教改革と現代

 産業革命論――欲望解放と自然的制約………小野塚知二
  はじめに
  一、産業革命の技術的な三側面
  二、産業革命とは何であったのか
  三、産業革命概念の現在
  むすびにかえて

 大西洋世界のなかのフランス革命………松浦義弘
  はじめに
  一、大西洋世界とフランス
  二、「世論の法廷」におけるアメリカ独立革命
  おわりに

焦点|Focus
 ルネサンス期の文化と国家――フランスを中心に………小山啓子
  一、ルネサンスと時代区分
  二、イタリア・ルネサンスの伝播とその影響
  三、宮廷の興隆
  四、文書を司る行政役人の台頭

 ブリテン諸島における革命………後藤はる美
  はじめに――ピューリタン革命から三王国戦争へ
  一、礫岩のようなヨーロッパとステュアート朝三王国
  二、長い宗教改革とブリテン諸島
  三、三王国戦争
  四、主権の定義をめぐる争い
  おわりに――長い革命

 ロシアの「大航海時代」と日本………豊川浩一
  はじめに
  一、探検するロシア
  二、ロシアの日本接近
  おわりに

 啓蒙主義とジェンダー――あるいは啓蒙とその「他者」………弓削尚子
  はじめに
  一、啓蒙の「他者」
  二、啓蒙の「主体」としての女性
  むすび

 アメリカ独立――帝国と共和政のあいだ………中野勝郎
  一、帝国の再編と帝国からの離脱
  二、独立と連邦共和政
  三、「帝国」と「国民国家」

 一七―一八世紀ヨーロッパにおける日本情報と………小俣ラポー日登美
  日本のイメージ
  はじめに
  一、幻想から実態としての日本へ
  二、日本イメージ形成における書籍の役割
  三、公刊された情報、公刊されなかった情報
  四、宣教師の日本情報
  五、旅行記における日本、科学的学究の対象となった日本
  六、鑑としての日本、パロディとしての日本
 
 コラム|Column
  ウェストファリア神話………明石欽司
  魔女狩り………黒川正剛
  オランダ独立戦争………桜田美津夫
  『鎖国論』の「鎖国」………西澤美穂子

ISBN:9784000114257
出版社:岩波書店
判型:A5
ページ数:304ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2023年03月
発売日:2023年03月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHB