岩波講座 世界歴史 第10巻
モンゴル帝国と海域世界 12~14世紀
他編:荒川 正晴
他編:大黒 俊二
他編:小川 幸司
内容紹介
「初期グローバル化」としてのモンゴル帝国の成立・展開と海域世界を扱う。帝国の拡大に伴い、陸上と海上の複数のルートを通じて西アジアと東アジアの人的・物的・文化的交流が急速に進んだ。多民族・多言語・多宗教が共存する大帝国の構造と周辺地域へのインパクトを探る。ジェンダー史、環境史の可能性にも言及。
目次
地図
展 望|Perspective
初期グローバル化としてのモンゴル帝国の成立・展開………宇野伸浩
はじめに
一、モンゴル帝国の成立
二、モンゴル帝国の拡大と分裂
三、モンゴル帝国とジェンダー史
四、モンゴル帝国と気候変動
まとめ
ユーラシア・海域世界の東西交流におけるモンゴル・インパクト………四日市康博
はじめに
一、モンゴル帝国の成立・分裂と人の移動
二、モンゴル帝国覇権のインパクト
三、文化交流上のモンゴル・インパクト
四、広域史から見たモンゴル・インパクト
おわりに
問題群|Inquiry
モンゴル帝国の統治制度とウルス………松田孝一
はじめに
一、チンギス・カンの子弟のウルスの創出
二、ウルスとは
三、ウルスの領域概念の出現
結び
モンゴル支配下の中国と多民族国家??官位獲得をめぐる諸相………飯山知保
はじめに
一、モンゴルの金国・南宋征服とその後の支配
二、「根脚」の記録と保存
三、モンゴル支配下の「征服者」たち
おわりに
トルキスタン・トルコ系諸集団とモンゴル帝国………松井 太
はじめに
一、「トルキスタン」化の実態
二、モンゴルの行政支配におけるウイグルの遺産
三、モンゴル支配下の東トルキスタン・ウイグル社会
四、ユーラシア交流のなかのトルコ系集団
おわりに
宋元時代の東アジア海域世界………関 周一
はじめに
一、港市博多と禅宗
二、高麗と北宋・南宋との海域交流
三、元と日本・高麗との海域交流
四、日本列島周辺の海域交流の活発化
おわりに
焦点|Focus
モンゴル覇権期のディアスポラ………向 正樹
一、遊牧帝国と交易ディアスポラ
二、モンゴル覇権期の様々なディアスポラ
三、モンゴル覇権初期のムスリム・ディアスポラ
四、中国東南沿海部に根を張ったムスリム・エリートの子孫たち
五、中国東南沿海部出土のイスラーム碑文データから見えること
六、モンゴル覇権期のディアスポラに関する考察
中央アジア・東アジアの東シリア教会――モンゴル時代を中心に………高橋英海
はじめに
一、東シリア教会の東方への展開
二、モンゴル期の中国の東シリア教会
三、東アジア・中央アジアにおける教会の衰退
おわりに
イル・ハン国のイラン系官僚たち――モンゴル支配下イランの財務制度と文化………渡部良子
はじめに
一、イル・ハン国のディーワーンと官僚たち
二、イル・ハン国の財務運営制度と財務技術の発展
三、イル・ハン国時代のイスラーム文化とラシード・アッディーン
おわりに
チベット仏教とモンゴル………中村 淳
はじめに
一、サキャパンディタ以前
二、クビライとパクパ
三、神御殿をもつチベット仏教寺院
おわりに
モンゴルの東南アジア侵攻と「タイ人」の台頭………渡邊佳成
はじめに
一、モンゴルの東南アジア侵攻
二、「タイ人」の「沸騰」
結びにかえて
ユーラシア世界の中国陶磁流通………森 達也
はじめに
一、モンゴル帝国以前の陶磁流通
二、モンゴル帝国期の中国陶磁器生産の変化
三、モンゴル帝国期の陶磁流通の変化
四、新安沈船引揚げ陶磁の特殊性
カラチュの時代――ティムール朝を中心に………川口琢司
はじめに
一、モンゴル帝国の継承国家としてのティムール朝
二、対外関係と征服活動
三、カラチュ政権の出現
おわりに
コラム|Column
モンゴル高原のメトロポリスとしてのカラコルム………松川 節
タルタル人………高田英樹
水中考古学が明かす一二-一四世紀の東アジア交易船………木村 淳
モンゴル帝国時代の天文学………諫早庸一
イル・ハン国時代の普遍史の世界認識とラシード・アッディーン………大塚 修
ISBN:9784000114202
。出版社:岩波書店
。判型:A5
。ページ数:328ページ
。定価:3200円(本体)
。発行年月日:2023年04月
。発売日:2023年05月01日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHB。