序章 通時的新聞コーパスによる「外来語の基本語化」研究
1 研究の背景
2 研究の目的
3 先行研究
4 通時的新聞コーパスの作成
4.1 通時的コーパスの必要性
4.2 『毎日新聞経年コーパス』(第0 版~第4 版)の作成
4.3 コーパスの特徴
5 本書の構成
第1部 基本語化の量的概観
第1章 基本語化候補語の抽出
1 はじめに
2 『毎日新聞経年コーパス』(第1 版)の語彙調査
3 外来語の増加傾向
4 増加傾向にある外来語(基本語化候補語)の抽出
5 基本語化候補語の意味的構成
第2章 基本語彙構造における外来語の進出領域
1 はじめに
2 基本語彙の分類と構造
3 分類結果
4 基本語彙構造における外来語の進出領域
第3章 類義語との量的関係から見る基本語化
1 はじめに
2 類義語選定の方法
3 基本語化の量的傾向
3.1 類義語を上回る外来語
3.2 類義語に近づく外来語
3.3 類義語に及ばない外来語
第2部 意味の拡大から見た基本語化
第4章 外来語「トラブル」の基本語化(1)
1 はじめに
2 抽象的な基本外来語「トラブル」
3 「トラブル」の基本語化の量的な側面
4 「トラブル」の意味・用法
4.1 ヒトとヒトとのトラブル
4.2 モノのトラブル
4.3 モノゴトのトラブル
4.4 意味・用法間の関係
5 「トラブル」の意味・用法の拡大
6 「トラブル」の基本語化の意味的な側面
6.1 新聞において重要な《事態》を「幅広く」表す
6.2 新聞において重要な《事態》を「概略的に」表す
6.3 同義語の不在
6.4 新聞文体の「概略化」傾向
7 おわりに
第5章 外来語「トラブル」の基本語化(2)
1 「トラブル」の基本語化
2 類義語の経年的調査の必要性
3 類義語の使用量の変化
4 「トラブル」の基本語化と類義語
第6章 外来語動名詞「チェック」の基本語化
1 はじめに
2 使用量の増加
3 用法の拡大
4 意味の拡大
5 意識調査との比較
6 おわりに
第7章 外来語「クレーム」の基本語化とその“挫折”
1 はじめに
2 外来語「クレーム」とその類義語の量的変動
3 “挫折” の背景・要因
3.1 〈経済〉から〈非経済〉への意味の拡大
3.2 マイナスの感情的意味の付着
3.3 他の動詞句やサ変動詞化の可能性
4 “挫折語” から見る基本語化
第3部 叙述パタンの獲得から見た基本語化
第8章 外来語「ケース」の基本語化(1)
1 はじめに
2 「ケース」の基本語化の確認
3 「ケース」の類義語と類義用法
4 「ケース」が多用される形式
4.1 単独で(=修飾部をとらない)
4.2 合成語の構成要素として
4.3 名詞句における被修飾語として
4.4 連体修飾節構造における被修飾語として
5 節構造における「ケース」および類義語の意味・用法
5.1 コトガラの内容
5.2 叙述のされ方
6 おわりに
第9章 外来語「ケース」の基本語化(2)
1 はじめに
2 使用量の推移
3 形式の推移
4 「ケース」の節構造用法の拡大
第10章 外来語「ルール」の叙述語化
1 外来語の基本語化と叙述語化
2 叙述型の獲得過程
3 対象と資料
4 類義語との量的な関係
5 各年新出の叙述型
6 叙述型の拡張過程
7 さらなる検討に向けて
第11章 文章構成機能から見た外来語の基本語化
1 外来語の基本語化の文章論的要因
2 資料:『毎日新聞経年コーパス』(第2版)
3 調査1: 指示語句
4 調査2: 同格連体名詞
5 文章構成機能の獲得による基本語化
第12章 外来語の氾濫・濫用と叙述語化
1 外来語の「氾濫」「乱用」
2 外来語の「文化的占領」
3 外来語の「基本語彙への侵入」
4 抽象的な意味を表す外来語
5 外来語の「叙述語化」
あとがき
文献
索引