序 章 グローバル化する世界と新冷戦の始まり (益田 実・齋藤 嘉臣・三宅 康之)
1 グローバルな変容と冷戦秩序の動揺
2 西側同盟の揺らぎ
3 南北関係の揺らぎ
4 価値・イデオロギーの揺らぎ
◆第Ⅰ部 グローバル化と西側同盟の揺らぎ
第1章 西独シュミット外交と独米関係―人権問題をめぐる西側同盟の協調と対立 (妹尾哲志)
1 デタントの陰りと独米関係
2 シュミット政権の東方政策と独米関係―人権問題を中心に
3 ベオグラード再検討会議に向けた準備会合とシュミットの訪米
4 本会議(一九七七年一〇月~七八年三月)とその後
第2章 ユーロミサイル危機と英独関係―NATOとECをめぐる西側同盟内の協調と対立 (橋口 豊)
1 ユーロミサイル危機と西側同盟
2 キャラハン政権と西側同盟の結束
3 サッチャー政権下の英独間の対立と協調
第3章 グローバル化する東欧とアメリカ―デタント・東西貿易・債務問題 (青野 利彦)
1 冷戦と東西貿易の展開
2 アメリカと東西貿易―ニクソン政権前期まで
3 グローバル・ショックと東欧
4 カーター政権とポーランドの危機
第4章 アフガニスタン侵攻と英米関係―対ソ制裁をめぐる西側同盟内の対立 (益田 実)
1 サッチャー政権・カーター政権の外交・防衛政策と対ソ戦略
2 ソ連のアフガニスタン侵攻をめぐる英米関係
3 「新冷戦」の到来と英米の冷戦政策の乖離
◆第Ⅱ部 グローバル化と南北関係の揺らぎ
第5章 冷戦と南北問題―新自由主義的グローバル化の背景としての東・西・南関係 (山本 健)
1 冷戦と開発援助の東・西・南関係
2 新国際経済秩序と一九七〇年代の東西冷戦
3 東西対立と南北問題
第6章 冷戦期フランスの第三世界援助政策―ヨーロッパ統合とグローバル化への対応 (鳥潟 優子)
1 フランスの援助政策の展開
2 変化の兆し
3 石油危機の衝撃
4 グローバル化と南北関係の逆転
第7章 カーター政権の南部アフリカ政策とデタントの終結―シャバ、アンゴラ、オガデン戦争の連環と領土保全原則の浸透 (三須 拓也)
1 アメリカの南部アフリカ政策と規定要因
2 リベラル派と「パックス・アフリカーナ」
3 領土保全原則のジレンマ
4 強硬派とアンゴラでの懲罰
第8章 イラン革命と米英関係―イスラーム主義と冷戦 (池田 亮)
1 革命の勃発
2 人質危機とアフガニスタン危機
3 国連使節団の失敗と西側諸国の経済制裁
4 人質解放交渉とイラン・イラク戦争
5 イラン革命と冷戦
第9章 イギリスのユネスコ脱退と南北問題―グローバル化が国際機構に与えた影響 (齋藤 嘉臣)
1 ユネスコにおけるマスメディア論争
2 ユネスコへの不満の高まり
3 ユネスコ脱退論の高まりと条件付き脱退の表明
4 脱退の判断(一九八五年)
◆第Ⅲ部 グローバル化と価値・イデオロギーの揺らぎ
第10章 「人権の国際化」と東ドイツ―ヘルシンキ宣言がホーネッカー政権に与えた影響 (清水 聡)
1 東ドイツと人権問題
2 ヘルシンキ宣言への東ドイツの対応過程
3 「人権の国際化」と「人権の国内化」―東ドイツの事例
4 ヘルシンキ宣言と冷戦
第11章 カーター政権のパナマ運河政策―人権外交と反米ナショナリズム (細田 晴子)
1 アメリカ帝国主義とパナマ
2 カーター政権の人権政策と運河条約
3 人権外交とは何だったのか
第12章 中国の変化は冷戦下の世界にいかなるインパクトを与えたか―改革開放政策がもたらした国際的な思想的影響 (三宅 康之)
1 第一一期三中全会前後の政治過程(一九七八~八一年)
2 改革開放路線の展開(一九八一~八四年)
3 改革開放路線の国際的影響
第13章 新冷戦とヨーロッパの反核運動―一九八〇年代初頭の西ヨーロッパにおける市民運動の一断面 (芝崎 祐典)
1 グローバル化する市民運動
2 イギリスの反核運動
3 西ドイツの反核運動
4 抑止体制のグローバルな正当性のゆらぎ
第14章 南アフリカへの制裁をめぐるグローバルな圧力―冷戦秩序の揺らぎとアパルトヘイトの終焉へ (小川 浩之)
1 冷戦とグローバル化の中のアパルトヘイト
2 アパルトヘイトと南アフリカへの武器禁輸
3 経済制裁とアパルトヘイト終焉への道