はじめに──エメ・セゼールとは/「ネグリチュード」の思想家/「政治」に賭けた詩人セゼール/カリブ海のフランス/「フランス領アンティル」からの闘争/周辺からの共和主義/本書の構成/序章 複数言語を生きること/1 言語から見たカリブ海/島ごとに異なる言語/言語に刻印された奴隷制/2 クレオール語/クレオール語の成立/クレオール文学/フランス語──セゼールの選択/第1章 黒人市長の誕生/1 パリの名門校に記念碑/リセ・ルイ=ル=グラン/二人の記念碑──セゼールとサンゴール/2 マルティニークにおける幼少時代からパリ時代(一九一三~一九三九)/セゼールの生い立ち/セゼール家の言語/コラム1 ヴィクトル・シェルシェール/パリのセゼール/詩人としてデビュー/3 帰郷した詩人/文芸誌『熱帯』/アンドレ・ブルトン/盗まれた革命──セゼールの歴史認識/作品の出版──サルトルの序文/ヴィシー政府の差別とネグリチュードの受容/4 フランス領カリブにおける社会構造/白人・ムラート・黒人/ムラートの文化的同化主義/5 詩人が政治家になるとき/市長・国会議員に当選/独立か海外県か/コラム2 カリブの島々/第2章 アメリカとアフリカの結節点──セゼールの詩とニグロの問いかけ/1 文学活動、「ニグロ」の声に形/「ネグリチュード」の発明/『帰郷ノート』/奴隷制の告発/白みきった朝に/詩の転換点/ニグロである我々を確認/尊厳を取り返す希望へ/憎しみでなく/2 足枷を解かれた文体/『帰郷ノート』の衝撃/暁でも曙でもない「朝」/ネグリチュードの匂い/白熱へと向かうテキスト/不公正と対峙──伝統からの断絶/3 ニグロからネグリチュードへ/「ネグリチュード」の由来/CとN──大文字の「文明」と大文字の「黒人」/4 発展するネグリチュード文学運動/「黒いオルフェ」──サルトルの序文/セゼールとシュールレアリスム/『プレザンス・アフリケーヌ』創刊/アフリカ的であることを肯定する言葉/5 海外フランスの成り立ちとマルティニーク小史/第二次世界大戦までのマルティニーク/海外四県の成立(一九四六年)/海外県の行政機構/脱植民地化/ハイチの独立と苦難/マダガスカル、ベトナム/アルジェリア独立戦争/独立した国々との関係/ニューカレドニアとポリネシア/第3章 政治家セゼールへ/1 若き政治家の課題/名ばかりの海外県/海外県化運動の源流/2 反体制、あるいは植民地主義批判/奴隷制廃止一〇〇周年の演説/3 植民地神話解体──『植民地主義論』の出版/セゼールの執筆活動/植民地主義は弁護不可能/欺瞞の告発/「文明化」を断罪/当時の植民地の状況/4 「我々自身であるときが来た」──共産党からの離脱/国民的経験としてのレジスタンス/ハンガリー動乱で共産党から離れる/アルジェリア民族解放戦線/フランスの対応とピエ・ノワール/セゼールの公開書簡/我々自身の時鐘/個の進化によって普遍に至る/第四共和制の脆弱性/アルジェリア戦争で共和国が崩壊/セゼールの帰還を迎えた一万人の群衆/5 マルティニーク進歩党の結成/第五共和制──ド・ゴールに反故にされた権限拡大の約束/…ほか