はじめに/プロローグ──戦国時代の商人とはどういう存在だったのか?/商人たちの訴え/戦国時代の利権ビジネス/中央権力の衰退で揺らぐ秩序/実は流動的だった「商人」という身分/中世商人はどこから来たのか?/特権を与えられた商人たち/「座」の盛衰/第1章 戦国金融道──京都商人の栄枯盛衰/戦国時代のサービス業/様々な職人と売り子たち/船で運ばれた商品たち/塩の戦国時代/中世最大級の淀魚市/大坂湾を掌握した三好氏/塩の利権をめぐる争い/戦乱の時代の樹木需要/京都にはすべてが集まる/室町幕府のぜいたく三昧/戦国金融道──金融業者の登場/戦国時代の利子はどれくらいだったのか?/ついに不満が爆発する/比叡山延暦寺の抵抗活動/権門経営は守護代にアウトソーシング/幕府財政に関わった「野洲井」/野洲井と賀茂社との密接な関係/悪銭混入という社会問題/悪銭とは何か?/金融業者たちが躍動した京都/天皇家の資金管理を担った商人/土倉とは何か?/第2章 ほんとうの「楽市・楽座」──兵庫・堺・博多・伊勢大湊/流通拠点での商業/瀬戸内海運の重要湾口都市「兵庫」/アジアとの貿易港「堺」/大名権力の支配下へ/「講」による自治/戦国時代の堺商人たち/「納屋」の正体/堺商人の家から大名になった小西行長/茶の湯と鉄炮を広めた堺商人たち/信長・秀吉と堺の関係/武家勢力による博多争奪戦/日本を代表する貿易窓口の盛衰/伊勢神宮の外港から太平洋海運の重要拠点へ「伊勢大湊」/角屋と北条・徳川家のつながり/そう単純ではない「楽市・楽座」/復興策・特権排除・治安維持/軍事戦略としての「楽市」/有名な織田信長「楽市・楽座」の実態/豊臣秀吉による「楽座」の完成/第3章 新興商人vs.特権商人──利権だらけの中世/「特権商人」対「新興商人」──新旧商人の競合/四府駕輿丁座の形成/巨大な特権商人集団の誕生/米の権益を独占した駕輿丁座/米商人への統制/四府駕輿丁座の弱体化/既得権益を揺るがす新興商人集団/利権の張り巡らされた中世/偽文書による紛争決着/偽文書が通ったのはなぜか?/相互不干渉と先例主義/今度は通行権を争う/商売は実績が物を言う/意外な判決/保内商人の戦いは続く/枝村商人の反論/保内商人の再反論/保内商人の苦しい主張/証拠文書か実効支配か/六角氏による意外すぎる判決/斎藤道三の台頭/判決には裏がある!/癒着の決定的証拠か/戦国時代に賄賂は当たり前/木綿運送をめぐるさらなるトラブル/第4章 御用商人たちの暗躍──商人的活動を担った大名家臣/石見銀は誰が運んだのか?/「銀山屋敷」と尼子氏の御用商人/毛利氏商人的家臣/交通の要衝「赤間関」の支配/返礼使として来日した宋希ケイ/瀬戸内海の水先案内人「東西の海賊」/宣教師ルイス・フロイスが遭遇した海賊/大名に仕えた因島村上氏/公権力から距離を置いた能島村上氏/大内氏がこだわった瀬戸内海/漂流物は誰の物か?/戦国大名と癒着した商人/キーワードは「商人司」/織田信長の商人司「伊藤宗十郎」/今川氏の商人頭「友野氏」/中央集権体制の消滅/伊勢神宮の布教活動/遍歴する修験者と商人/第5章 大名たちの経営戦略──「資源…ほか