はじめに/第1章 異次元緩和政策の効果/1 雇用の継続的な改善/正規・非正規の雇用もともに伸びている/新卒の雇用も改善/2 賃金も伸びている/時給で見れば賃金は上がっている/3 雇用の改善は人口動態変化によるのか/単純な人口減決定論/人口構成変化と雇用改善/雇用の社会構造変化論/異次元緩和と出生率/4 雇用者所得と企業収益の拡大/5 消費の低迷と消費税増税/頼りない因果の連鎖と確実な所得/6 実質と名目のGDPも拡大/7 生産性は上昇したのか/8 低金利政策が低成長を招くという誤り/企業は利益の上がる投資をしている/金利と利益率の関係を見てみると/9 低金利政策がゾンビ企業を残し、低成長をもたらすという主張は誤り/10 所得格差も縮小/11 自殺者も減少している/12 財政状況の改善/債務残高で見ると/国際比較で考える/名目GDPが増えれば政府支出も増やさなければいけないのか/緩和と財政規律/財務省がなぜデフレを阻止できなかったのか/13 株高は年金会計を通じてすべての国民の利益になる/GPIFが利益を上げられたのは運用方針が変わったから/GPIFの利益と年金財政/14 景気の実感が改善した/第1章のまとめ/第2章 金融政策とは何をするものか──目的と手段と経路/1 金融政策の目的/総需要曲線と総供給曲線で考える/フィリップス・カーブで考える/オークン法則で考える/自然利子率と中立金利で考える/2 金融政策の手段と経路/量的緩和を通じての効果と予想物価上昇率/マイナス金利政策と長期のコミットメント/金融政策以外の手段/金融政策が無効であることはあり得ない/3 金融政策の実践/インフレ目標政策(2013年1月)/異次元緩和政策(2013年4月)/付利の矛盾/付利の開始/世界の理解では付利は金融引き締め/マイナス金利政策(2016年1月)/イールドカーブ・コントロール(2016年9月)/金融政策の本末転倒論/4 金融政策の経路とその効果/マネタリーベースと予想物価/物価と実質金利/マネタリーベースと為替と株価/リーマンショック時とコロナショック時の金融政策/量的緩和政策と貸出と預金とマネー/マネタリーベースと物価と全産業活動指数/金融政策の効果/実証研究による量的緩和政策の効果/5 実証的金融政策無効論への反論/日本の係数が低いのはなぜか/6 高圧経済論とその限界/高圧経済政策には意味がないのか/2022年からの世界的インフレは高圧経済政策の失敗か/欧米のインフレ高進/政策金利と物価の関係/金融政策は物価と景気をともに考慮して/2021年以降のインフレの要因/金融緩和継続のメリット/7 低圧経済の失敗と構造失業率/構造失業率の再推計/構造失業率3・5%説は2015年4月には否定されていた/8 円高は日本を低圧経済にする/日本は円高になり過ぎで変動も大き過ぎる/スイスは自国通貨高でも豊かになれた? /9 人口減少だからデフレになるという議論の誤り/ギリシャは財政緊縮でデフレと人口減になった/10 賃金デフレ論は未完成の理論/第2章のまとめ/第3章 異次元緩和の副作用──銀行経営と中央銀行の財務問題
他