序章 一九九五年・早春・オランダ/ジャンヌ・カルマン/一八九〇年七月二十七日/時代の精神・十九世紀とハーグ派/馬鈴薯と麦/第一章 フロックコートと青春/フロックコートと青春/青年画商ゴッホ/りんごの花/失意の日々/善きサマリア人/敬神の血筋/第二章 楡並木の街/海軍省アムステルダム司令部/楡並木/メンデス・ダ・コスタ/伯父たちの肖像/背水の陣/教会の街で/待雪草/レンブラントの家/第三章 晩秋の旅人/ペイ・ノワ=黒い土地/マルカッス炭鉱とドニ家/地下七〇〇メートルの世界で/解雇/無為の日々/年金生活者/あてもなく/晩秋の旅人/目覚め・霜の花/第四章 夏の客人/アントン・ファン・ラッパルト/夏の客人/拒絶/追放/第五章 SORROW/アントン・マウフェの油彩レッスン/ハーグ派としてのスタート/割れた石膏/氷壁/シーン/SORROW/偽善/パノラマ・メスダッハ/砂丘の棘/第六章 馬鈴薯の花咲く村/北の果て/曳き船/保存運動とカフェ・ファン・ゴッホ/ニュネン村/馬鈴薯を食べる人たち/レンブラントの明暗法/ユダヤの花嫁/ニューネビーユの佳人/燃え尽きた蝋燭・父の死/シーン・決別そして故郷喪失/リューベンスと浮世絵/三つの木箱のミステリー/ヘレーネの美術館と贋作/第七章 モンマルトルの風車/幻惑の花束/印象派との出会い/バンの店と浮世絵/シャルル・ブランの補色の原理/カフェ・タンブラン/クレポンと独自画法の発見/アドルフ・モンティセリ/アゴスティーナ・セガトーリ/ゴーギャンとポン・タヴァン派/さらばパリ/タンギーの肖像/イーゼルの前の自画像/第八章 太陽の花/花咲く果樹/ラングロワ橋/黄色い家/ラ・クロー平原/地中海/太陽の花/夜の絵/ゴーギャンの椅子/議論の果てに/破綻/第九章 あの日/赤い木蔦の僧院/あの日/ゴーギャンの野心/テオの婚約/七枚のひまわり/東京とアムステルダムのひまわり/ラ・ベルスース/ルーランとの別れ/新たな決断/第十章 死と再生の交響曲/サン・ポール・ド・モーゾール/渦巻く大気・渦巻く炎/第四回万国博覧会/死と再生の交響曲/「二十人展」/花咲くアーモンドの枝/「アンデパンダン展」/北の思い出/帰還・パリ/第十一章 雷雲の下の麦畑/シテ・ピガール/ガッシェの肖像/自問/一八九〇年・七月・パリ/雷雲の下の麦畑/第十二章 リボルバーと落穂/狂気の淵で/自己懲罰/燃え尽きた画稿・自己模写/麦畑の葬送/ヨーの功績/テオの錯乱/再び特別展で/影の光に寄り添うごとく/第十三章 麦畑の秘密、オーヴェール・一八九一年七月二十七日/カラスのいる麦畑/ピアノを弾くマルグリート/小型リボルバー/永遠の命/麦畑の秘密・一八九〇年七月二十七日/オーヴェール・一八九一年七月二十七日/終章 二〇二五年・早春・日本──あとがきにかえて/参考文献