第一章 壮麗な都へ──カエサルの野望/1 危機に立つローマ/軍の弱体化/グラックス兄弟の失敗/マリウスの軍制改革/2 紀元前二世紀までのローマ/権力闘争と建築競争/商業施設の再開発/ヘレニズム文化摂取という「近代化」/公共基盤の整備/3 スラの時代/共和政の実質的崩壊/コミティウムの改造/ローマ独自の建築/4 ポンペイウスの時代/スラの炯眼/新市街地の開発/劇場の建設/5 カエサルの野心/ローマ宗教界の頂点へ/キケロの悲劇/カエサルの危機/カエサル、ルビコン川を渡る/クレオパトラとの同盟/首都整備計画/数々の大造営事業第二章 秩序ある都──アウグストゥスの政治/1 カエサル亡きあと/ブルトゥスの決定的失敗/アントニウスの追悼演説/三頭政治/オクタウィアヌスの台頭/アクティウム沖の海戦2 アウグストゥスの帰還/軍の全権掌握/マルケルス劇場とアポロ・ソシアヌス神殿/3 高揚する帝政ローマ/鷹揚さと質実/アウグストゥス広場/平和の祭壇4 フォルム・ロマヌムの再建/元老院議事堂の完成/三基の凱旋門/ユリウス・クラウディウス朝継承のための造営/5 壮麗な都市の完成/アグリッパの公共施設建設/カンプス・マルティウスの発展/穀物倉庫の建設/都市行政制度の整備/6 七五年の生涯/パンテオンの位置/パンテオンの建立目的/第三章 新都市整備計画──ネロの光と影/1 ティベリウスの政治/アウグストゥスの遺書/食糧・財政問題/数少ない建築事業/セヤヌスの奸策/経済混乱と貧富の格差拡大/2 カリグラの変転/ゲルマニクスの死/アントニアのもとでの二年間/倒錯の目覚め/六カ月の善政/狂気と暗殺/3 歴史家皇帝クラウディウス/食糧の逼迫/解放奴隷の活躍/常識人としての施政/妻たちの奸計/4 ネロ、五年間の理想政治/セネカとブルスの後見/公共事業と娯楽の提供/5 ローマの大火と新しい都/ローマ炎上/「新都市」計画/黄金宮殿/第四章 横溢の都──フラウィウス朝の時代/1 ウェスパシアヌスとティトゥス/六〇歳の皇帝/手本はアウグストゥス政治/「パンとサーカス」の提供/教育制度の整備/ティトゥスの二年間/2 ドミティアヌスの権力政治/フラウィウス家顕彰のための建築/斬新な都市計画/第五章 都市機能の充実──五賢帝の時代/1 老皇帝ネルウァ/2 軍人皇帝トラヤヌス/ネルウァの指名した後継者/公僕フロンティヌス/トラヤヌス広場の建設/港の建設/アリメンタ制/3 巨人皇帝ハドリアヌス/ギリシア文化愛好者/平和的手段による国家経営/政治表明の場としてのパンテオン/社会の変質と新しい美意識/一二年間にわたる属州旅行/建築家ハドリアヌス/複雑巨大な人格/4 篤実な皇帝アントニヌス・ピウス/歴史のない時代/維持保全のための工事/5 哲人皇帝マルクス・アウレリウス/二人の皇帝/戦争と疫病/防御のための拡張/後継者の愚行/失われた信頼/第六章 王朝都市──セウェルス朝の目論見/
他