はじめに/第1章 子どもの不適応が変わってきた現代/1 不登校の歴史を振り返る/まだ説明可能だった不登校/説明ができない不登校の出現/不登校の多様化・あいまい化/不登校はどんな子どもにも起こるが……/2 「登校刺激を与えず、ゆっくり休ませる」はなぜ効果的なのか?/不登校の子どもたちは強い登校圧力にさらされてきた/「登校刺激を与えず、ゆっくり休ませる」という方針について/「学校には行くべき」と反する気持ちを抑え込む子どもたち/抑え込んだ気持ちが悪さをする/「登校刺激を与えず、ゆっくり休ませる」という方針の有効性/「学校には行くべき」という価値観の意義とその変化/意味がないというわけではないけれど……/3 従来のアプローチでは改善しない事例の出現/従来の不登校支援において大切なこと/従来のアプローチでは改善しない不登校の出現/本書で目指すこと/コラム 不登校はなぜ増えているのか?/第2章 成長に不可欠な「世界からの押し返し」の不足/1 思い通りにならないことに耐えられない子どもたち/「思い通りにならない場面」への強烈な拒否感/「思い通りにならないことを受け容れる」ために必要な経験/不快感を関係性の中で納めていくこと/「世界からの押し返し」が少ない子どもは不適応になりやすい/2 「世界からの押し返し」になっていない大人の関わり/「世界からの押し返し」を外注する/子どもの現実を「加工」する/子どもの環境を「操作」する/不快感から目を逸らすための「仲良し」/「押し返し」ができない教師/3 ネガティブな自分を受け容れられない子どもたち/私に「?」を付けないで!/不登校の主因になり得る「ネガティブな自分を認められない」という特徴/学びの前提は「未熟であることへの不全感」/子どもたちが抱く「万能的な自己イメージ」/こころの奥底にある自信の無さ/4 学校で見られる具体的な不適応パターン/環境に対して過剰に適応しようとする/他の子どもが叱られているのが怖くて学校に行けない/他者を低く価値づける傾向と絶え間ない自己否定/苦しい状況を「操作」する/子どもの問題を抱えられない親の反応/コラム 反抗期って必要?/第3章 子どもの「不快」を回避する社会/1 何が子どもたちの不適応を生み出しているのか?/本書で「自己愛」という表現を用いない理由/従来の仮説との相違点について/社会背景が子どもたちの不適応を生み出している可能性/2 子どもを不快にできない社会/学校が変わることの意味/「要らない不快」と「成長のための不快」/「褒めて伸ばす」が変質してしまっている/「やりたいこと」と「できること」/社会の風潮が学校や家庭に降りてきている/3 外界と調和することへの拒否感/「なまはげ」が教えてくれる大切なこと/「外界と調和するつもりがない」というマインド/個性とは他者との関係の中で滲み出るもの/only oneとone of them/4 外罰的な風潮の影響/「恥ずかしい」から「怖い」への推移/他責的なスタイルで生きていくリスク/「自由」と「責任」の連動性を学ぶこと/コラム それって誰の問題?
他