はじめに/凍土に起る砲声/迫る危機感/始まったソ連の進攻/進攻前触れの通信分断/風騒ぐ国境線/国境陣地の構築/対米「あ」号作戦の展開/戦時下樺太の実態/自給自足策と島民の防衛意識/腹背の敵に対処/米潜水艦の出没/海豹島、砲撃さる/バーブ号跳梁/スパイ潜入阻止に苦心/ソ連参戦の背景/ソ連軍、ついに進攻開始/国境へ、国境へ/緒戦における国境戦闘/砲声下、婦女子の避難/半田陣地の死闘/増える死傷者/半田陥落/敵戦車隊、師走川に迫る/不可解「越境すべからず」/凄惨、師走川陣地の全滅/ソ連軍阻止と住民避難/引返した航空隊/国境戦線異状あり/ソ連軍、古屯に急進攻/竹槍にゴボウ剣/古屯駅奪回に部隊集結/友軍機来らず/連隊主力、八方山で待機/わがもの顔の敵戦車隊/ソ連艦、安別を急襲/安別放棄/終戦の後も……/古屯駅を逆襲/古屯駅奪回ならず/古屯の激戦/頼りはわずか連隊砲一門/最後の斬込み/眼前の敵戦車に戦慄/生存わずか四十二人/砲声のなか戦死者の最後の声/最後の命令「大隊長の遺体を……」/声をかぎりに叫び突撃/戦友の遺体を盾に/無謀な敵中突破/ソ連兵と捨身の格闘/八方山の戦闘停止/ソ連軍、八方山に迫る/猛攻受ける前地点/執拗な襲撃に戦死者続出/北極山にも激しい敵襲/白熱の手榴弾戦/停戦、しかし自衛戦闘継続/三号無線分隊、敵中突破ならず/硝煙のなか、打ち振る白旗/戦闘停止十九日午前零時/軍旗脱出/敵味方、求めあう握手/山野にしみわたるラッパの音/混乱の始まり/橋梁爆破/気屯停戦成らず/上敷香でも交渉決裂/帯なす避難民の群れ/停戦交渉ようやく成立、だが……/北西地区の戦闘、完全に終了/国境地域の混乱と動揺/ツンドラと濁流のなかを避難/列車に襲いかかる敵機/狂乱の町、敷香/ソ連軍、塔路に進攻/恵須取にも猛爆/猟銃と竹槍の義勇隊/頼りにならぬ軍/悲劇の一家心中/焦土の町にソ連軍上陸/停戦に町長の犠牲/住民を説得、ようやく下山/野ざらしの死体/恵須取、上恵須取の壊滅/終戦放送に箝口令/徹底欠いた撤退命令/義勇隊、激しい抵抗戦/めざましい女子監視隊の活躍/「その軍刀で刺して……」/死を覚悟の薄化粧/決死の敵中突破/合い言葉は「雪」と「月」/上恵須取、灰燼に帰す/決裂した停戦交渉/民間人停戦交渉使節/死の避難行/死の内恵道路/子も捨て親も捨て/内路目前に心中/珍内にあふれる避難民/爆死の母、ひとことも残さずに……/取り残された人びと/「私たちはここで死にます」/看護婦の集団自決/非情の果て/被占領地区に潜入/知取にソ連戦車隊進駐/炭礦義勇戦闘隊長、覚悟の自害/心中・発狂・斬殺/三神医師の単独停戦交渉/緊急疎開/貨物列車に鈴なりの人/人波に埋まる桟橋/輸送力増強に苦肉の一計/難民あふれる稚内/三引揚げ船の遭難/千七百余の遭難者/小笠原丸の沈没/家族犠牲に遺体収容/第二新興丸、敵潜と遭遇/雷撃、船艙に大穴/見事敵潜を轟沈/散乱する血と肉塊/続いて泰東丸も/死体だらけの海/地獄図絵、真岡の町/ソ連艦艇、港内で砲撃/疎開めぐるみにくい争い/軍旗奉焼後、事態急変/住民に容赦ない砲撃/射撃命令下らず/停戦軍使射殺さる/戦闘の火ぶた切る/ソ連軍、真岡を掌握/ほか