はじめに/鈴木義男はなにをした人?/鈴木の生き方と思想を通して見えてくるもの/第一章 キリスト教的環境の中で──誕生から東北学院卒業まで/1 誕生から小学校卒業まで/誕生と小学生の頃/東北学院入学の動機となった父の布教活動/父の臨終/2 東北学院普通科(中等部)での五年間/シュネーダー院長の薫陶/東北学院労働会での体験/仙台市内中学校弁論大会で優勝/『中学世界』の懸賞論文でも一等賞/卒業にあたって──キリスト教への思いと将来の職業のこと/エピソード1「ギダン」と呼ばれる/第二章 大正デモクラシーとの出会い──二高入学から東京帝大助手任期終了まで/1 二高(旧制二高)で学ぶ/成績優秀な苦学生/弁論部ではリーダー的存在/視野の拡大と大正デモクラシーへの関心/「忠愛之友倶楽部」でも活動/2 東京帝国大学で学ぶ/学者を目指して/吉野作造に師事──民本主義の受容、そして学者の道へ/3 学者としてのスタート/助手時代の始まり/ワイマール憲法への強い関心/「人類の社会的解放の第一声」としてのワイマール憲法/大正デモクラシーからの強い影響/東北帝国大学法文学部教授に内定/エピソード2結婚、そして二人の娘の誕生/第三章 欧米留学とその「成果」──留学から東北帝国大学辞職まで/1 留学の目的と行程/留学時の国際情勢/留学の目的・期間/留学の行程/2 留学先で学んだこと/ドイツとフランスから送られた論稿/ヨーロッパ諸国の戦禍を目の当たりにして/法律哲学と労働大学への強い関心/国際法・国際連盟への関心/アメリカで語られた鈴木の平和思想/3 東北帝国大学法文学部教授に就任/学内外で活躍する「花形教授」として/「人格的生存権」論/軍事教育政策への批判/4 無念の辞職/「赤化教授」追放の中で強められた辞職への圧力/「不本意な出版事件」/東北帝国大学評議会での辞職決議/三人の恩師を訪ねて──弁護士への転身/第四章 弁護士として──無名弁護士から人権派弁護士への飛躍/1 弁護士生活の始まり/法律事務所開設と今村力三郎への師事/社会情勢に伴う弁護活動の変化/2 弁護士時代・第一期(一九三〇~一九三三)/「共産党シンパ事件」の弁護とその影響/社会的関心を集めた河上肇の弁護/「京大事件」への想い/3 弁護士時代・第二期(一九三四~一九三七)/帝人事件の弁護/志賀暁子堕胎事件の弁護/当時の鈴木に対する世間の評価/人権擁護および司法改革に関する提案/4 弁護士時代・第三期(一九三八~一九四五)/「労農派教授グループ」の弁護/一三万字にも及んだ有澤廣巳の「弁護要旨」/修養同友会事件の弁護/キリスト教牧師の弁護/5 人権擁護の姿勢を貫く/エピソード3法廷の外でも貫かれた「人間尊重の精神」/エピソード4白河への家族の疎開/第五章 新憲法制定・司法制度整備──政治家への転身から法務総裁辞任まで
他